編集長が行く《東京・江東地区 下》文、写真 井上脩身

今はスカイツリーのお膝元

『東京大空襲』の表紙

【LAPIZ ONLINE】1月上旬、わたしは早乙女さんの『東京大空襲ものがたり』と『東京大空襲』を携え、本稿に登場する現場をたずねた。
地下鉄浅草駅を降り、さいしょに言問橋に向かい、次に焼け残り電柱の現場をたずねた。本稿の趣旨に合わせ、まず電柱のことを書いておきたい。
焼け残った電柱は浅草駅南西約1キロの、幅5メートルほどの通りの角にポツンと立っている。何かの工事の作業員4、5人が通りかかったが、この電柱に目もくれない。写真を撮っていると、ベビーカーを押す女性がけげんそうな顔をして通りすぎた。電柱を実際に目にして気づいたことだが、底部は高さ50センチ、幅20センチの穴状になっており、下部は空洞になっているとおもわれた。おそらく焼夷弾が直接当たって燃えた痕跡であろう。B29が超低空飛行していた証拠といえるのかもしれない。 “編集長が行く《東京・江東地区 下》文、写真 井上脩身” の続きを読む

とりとめのない話《峠・地図ブラ歩き》中川眞須良

峠  (地図ブラ歩き)

ホハレ峠

【LAPIZ ONLINE】峠は変化変容の場である。即ち分かれる場である。風が変わり、気温が変わり、湿り気、匂い。水の流れ、そして、咲く花の時期まで変わる。変わるのは自然だけではない。人は、出会い・別れ、何かを見つけ確認する。 “とりとめのない話《峠・地図ブラ歩き》中川眞須良” の続きを読む

フォトエッセー《春まだ浅き・・中山道醒ヶ井宿》片山通夫

中山道のほぼ終わるところに醒ヶ井宿と言う宿場町がある。滋賀県と岐阜県の境にあり伊吹山のふもとだ。この宿場には地蔵川という川があり、山の湧水を集めた、とてもきれいな水が流れている。また「ハリヨ」という魚が泳ぎ「梅花藻」の可憐な花が咲き、見る人の眼を楽しませてくれる。

fiction《アマテラスの誤算009》片山通夫

アマテラスのプライド

【609studio】話は前後するが、アマテラスは亡くなったイザナミの夫イザナギが禊(みそぎ)をしたその目から生まれた女神である。弟神にツクヨミ、スサノオがいる。このスサノオが問題児で亡くなった母・イザナミに会いたいと黄泉の国に行こうと駄々をこねる。その前に高天原のアマテラスに、いとまごいに出かけ、なぜか高天原で大暴れして遂には高天原から追放される。姉のアマテラスも諦めざるを得ない問題児だった。ただ筆者が思うにアマテラスは今でいう「学級委員長タイプだったのではないか」と。確かに美貌が備わり、神としての能力も他にあまたおられる神様に比してずば抜けていた。 “fiction《アマテラスの誤算009》片山通夫” の続きを読む

fiction《アマテラスの誤算008》片山通夫

お帰り

須賀神社 出雲

出雲にお集まりになった神様たちはそれぞれの国へお帰りになるのであるが、それぞれの国ではどのようにお迎えされるのかは定かではない。ただ神在月の間、神様たちはどのような酒を召し上がっていたのか少し興味があるので、今風にインターネットで調べてみた。 “fiction《アマテラスの誤算008》片山通夫” の続きを読む