◆◇現代時評《公金チューチュー》山梨良平

先頃、東京新聞が《杉田水脈氏、アイヌ事業関係者を「公金チューチュー」とやゆ 政務官辞任は「謝罪するのが嫌でやめた」》とする記事を掲載した。この記事には驚いた。つまりまともな日本語で読むと言葉通り「謝罪はしない」と言うことだ。「ここで謝っても謝らなくてもすでに辞任した後だから」という開き直りにとれる。つまり反省も言い訳もないわけだ。
今のところ、法的には差別発言を止めることは出来ないようだ。筆者が一連のアイヌ民族に対する杉田氏の発言は単に「彼女自身の自己満足」に過ぎないのではないかと考える。
(みんなの党→) (日本維新の会→) (次世代の党→) (日本のこころを大にする党→) (日本のこころ→) そして自由民主党(安倍派)と公党を渡り歩いた結果、「公金チューチュー」と言わなくては自民党から干される運命を感じたのか、より過激な発言になったのではないだろうか。そういえば関係ないかも知れないが彼女は呑んで荒れるという情報もあるようだ。もしそうだとすれば可哀そうな人だ。

所で12月1日付の朝日新聞では「安倍派、1億円超の裏金か パー券ノルマ超えを還流 地検が立件視野」(https://x.gd/0fCJR)という記事が載った。パーティ券は公金ではないが、「自民党と言う公党」がなしたことであり、その責任は重大だ。アイヌ事業関係者の杉田氏の言うように「公金チューチュー」どころではない。
杉田氏は安部派。

現代時評plus《軍靴の音が聞こえる!》山梨良平

インターネットから

突然、現地時間10月7日パレスチナ・ガザ地区のハマスからイスラエルに対して攻撃が始まった。無論、ロシアとウクライナの戦争は続いている。
ロシアはウクライナがEUやNATOに加盟することを嫌い、ロシア側に引き留める為に、現政権を親ロシア政権をウクライナに樹立・干渉するために攻め込んだ。ところが西側が一致
一方、イスラエルはもともと緊張状態だったパレスチナとのにらみ合いのバランスを崩そうとしたパレスチナ・ガザ地区を実質支配しているハマスが、一方的に先陣を切ったので、現在の状況になった。この遠因にはイスラエルとサウジアラビアの接近があったと思える。
ハマスの後ろにはイランが、その後ろにはロシアがいる。またイスラエル最大の同盟国はアメリカであり、イギリスである。
この図式で考えると、ロシア、中国、北朝鮮をはじめ、アフリカ諸国などのグループとアメリカ、イギリスを中心としたグループのせめぎあいが見られる。そのうえ、中国は南シナ海で覇権を振るって、フィリピンなどと海の領土争いに余念がない。勿論日本も尖閣列島の領有権で中国と対峙している。また、中国は台湾に攻め込むと公言している。

こうなると世界はロシア・中国グループと、アメリカ・西欧グループに分かれてそれぞれの力を誇示し、各地で小競り合いを始める危険が、そのうち両グループの大規模な戦争に発展する気がしてならない。その小競り合いが、ロシアとウクライナの戦争であり、アメリカの代理国・イスラエルとロシアとイランの代理であるハマスの戦いが今始まったばかりだと思える。

無論これらの戦争が人間の英知で避けられることができれば良いのだが、前世紀の例を見てもそれは夢でしかないのかもしれない。

註・ハマス:パレスチナのスンニ派イスラム原理主義、過激派、民族主義組織である。社会奉仕組織「ダワ」と軍事組織「イズ・アッディン・アル・カッサム旅団」を擁する。2006年のパレスチナ立法選挙で勝利し、2007年のガザの戦いの後、ガザ地区の事実上の統治当局となった。

CNN 全記事一覧     https://www.cnn.co.jp/archives/
AFP ウクライナ危機   https://www.afpbb.com/?cx_part=nav
共同 ウクライナ侵攻  https://www.47news.jp/world/ukraine
BBC ロシア・ウクライナ戦争 https://www.bbc.com/japanese/60631515

 

現代時評《人間の器》山梨良平

TVニュースより(日本テレビ)

通常能力や性質からみた、人間の大きさを指して「度量」と言う言葉を使う。
もう何時の頃かは忘却の彼方においてきたが、以前は政治家にも、与野党通じて「広い度量の人物」はおられた。 別の言葉で表現すると「器が大きい人物」を指すのだろう。

しかし昨今の自民党のみならず与野党に度量の広い人物は見当たらない。たとえばこのほど、杉田議員のアイヌ民族を侮辱する表現について、札幌法務局が「人権侵犯の事実があった」と認定していたことが分かった。具体的には「会議室では小汚い格好に加え、チマ・チョゴリやアイヌの民族衣装のコスプレおばさんまで登場」と自身のブログの書いたことを指すらしい。彼女は「落選中で一般人だった」と言い訳した。 “現代時評《人間の器》山梨良平” の続きを読む

現代時評《敗戦の朝に思う》山梨良平

1945年8月14日ホワイトハウスにて日本のポツダム宣言受諾を発表するハリー・S・トルーマン米国大統領

1945年8月15日正午、天皇はラジオで放送された「玉音放送」で、日本政府が前日に決めたポツダム宣言受諾及び日本の降伏を国民に公表された。ポツダム宣言とは7月26日にイギリス、 アメリカ合衆国、中華民国の政府首脳の連名において日本に対して発された全13か条で構成される宣言を指す。
https://onl.tw/RyBd6Hm

当初、日本政府はこの「無条件降伏せよ」との宣言を軍部の圧力で無視することとした。その後、アメリカはヒロシマに6日、ナガサキに9日原爆が投下した。つまり簡単に言うとポツダム宣言を無視する日本政府に業を煮やした連合国は戦争を終結させるために原爆を投下したと言うことになる。おかげでヒロシマもナガサキも今に至るまでその傷跡に苦しんでいる。

歴史に「もし」は禁句だが、「もし、7月中にポツダム宣言を受諾」していれば、おそらく原爆は投下されなかった。この「無条件降伏」とは、1945年7月26日のポツダム宣言を受け入れると言うことで、この宣言には全日本国軍隊の解体のほか、軍国主義の破棄、本土の占領などの諸条件が課せられていた。これらの条件を国家として無条件に受け入れることを要求されたのである。なかなか軍部は納得できなかっただろうと思う。何しろ国民の命よりも国体と言う意味不明のモノを尊ぶ思考だったからだ。
https://onl.tw/axQFV6w

この戦争で無条件降伏をしたはずの日本だが、実際は国際政治の波に翻弄される。最初の波は今もその影響を引きずっている、A級戦犯だった岸信介を米国の都合で戦犯から解除されて利用された。またその孫である安倍晋三は岸信介の跡を継いで日本の政界を渡り歩き首相にもなったが凶弾に倒れた。岸が絞首刑を免れ天寿をまっとうできたのに、孫の安部は凶弾に倒れたのは皮肉だ。
今一つは日本の戦後の復興も朝鮮戦争でもたらされた。朝鮮戦争特需で日本は生き返ったという。

話を戻す。欧州ではドイツが、東南アジアではベトナムが、そして東アジアでは朝鮮がそれぞれ南北に分断されて同じ民族がにらみ合った。朝鮮半島ではいまだに分断国家としてにらみ合っている。これらの歴史は読者にとっても周知の事実なのでこれ以上は書かないが恐ろしくも残念なことである。

そして2023年8月15日を今日迎えた。日本はこの78年の間に何を学んだのだろうか。確かにいわゆる平和憲法を手に入れた。一部ではアメリカの押し付け憲法だと言われながら。
どうも日本人は「喉元過ぎれば熱さを忘れる」傾向がある。もっと言えば「あったことをなかったこと」のようにふるまう。いや、あったことすら忘れてしまうようだ。そして都合の悪いことは隠ぺいする。最近この傾向が顕著だ。たとえば昨年7月、岸信介の孫が凶弾に倒れた。その国葬を大方の国民の反対を押し切って岸田内閣は閣議だけで決定し実行した。このほど共同通信が情報公開請求した安部氏の国葬の出席者名簿の氏名は74%黒塗りだったと明かした。出席者の7割以上を隠さねばならない国葬って恥も極まれりだ。
比べてはまことに失礼ながら、同じ国葬でも英国のエリザベス女王の場合とつい比べてしまう。

最後に、台湾を訪れた麻生自民党副総裁は台北で講演し「台湾海峡の平和と安定には強い抑止力を機能させる必要があり、そのために日米や台湾には《戦う覚悟》が求められている」と述べただ。中国はもとより、台湾をいさめて戦争の回避を探るべきだと述べるのならともかく、煽ってどうするつもりだ。無責任な自民党副総裁である。

筆者は、8月15日の朝を迎えて、78年と言う歳月はここまで政治を劣化させると感じながら、戦争犠牲者の冥福を静かに祈りたい。 合掌
◇参考
ジャーナリスト桐生悠々(1873~1941年)が執筆し、1933年8月11日の信濃毎日新聞に掲載された「関東防空大演習を嗤ふ」全文

現代時評《「我々は何もかも決して忘れない」ゼレンスキー大統領》山梨良平

動画にはロシア兵が短剣で、まだ生きているウクライナ兵の首をはねたと思しき光景が映し出されていた。(英エコノミスト誌 2023年4月22日号)
この動画を見たウクライナのゼレンスキー大統領は「我々は何もかも決して忘れない」と述べたとメディアは伝えた。CNNによると「ウクライナ軍は反攻には好位置にいる」と米欧州軍のカボリ司令官は米下院軍事委員会で述べたと伝えた。しかし慎重論というか、「過度の期待はせぬ事だ」と戒める説も少なくはない。 “現代時評《「我々は何もかも決して忘れない」ゼレンスキー大統領》山梨良平” の続きを読む

現代時評《崩壊した日本 「Jアラートと敵基地先制攻撃」》山梨良平

先日朝からNHKは「Jアラート」をがなり立てていた。北海道付近に北朝鮮から発射されたミサイルが落下する危険を国民に告げていた。テレビの画面は「真っ赤だった」。漁船など船舶は何処へ逃げればいいのか?だが明確な指示はなかったように思える。新幹線を含む鉄道は運航を停止した。当然駅には人があふれた。万一そこにミサイルが落ちれば被害は甚大だ。列車は走らせて被害を分散する方がいいのに。列車への対応はニュースになったけれど、北海道電力の泊原発はどうしたのだろう? この件のニュースは見当たらなかった。山口壮原子力防災相は昨年5月13日の閣議後会見で、原発への武力攻撃に対する防衛について「ミサイルが飛んできてそれを防げる原発はない。世界に1基もない」と明言したことを付け加えておく。 “現代時評《崩壊した日本 「Jアラートと敵基地先制攻撃」》山梨良平” の続きを読む

現代時評《煽る日米、怒る北朝鮮》山梨良平

金日成広場にて

北朝鮮の朝鮮中央通信は2月20日、西部に展開する朝鮮人民軍部隊が軍事デモンストレーションとして、口径600ミリの超大型放射砲(多連装ロケット砲)2発を発射したと報じた。我が国は当然のことながら北朝鮮に対して「北京の大使館を通じて厳重に抗議した。」 と発表した。
時事通信は、《北朝鮮が短距離弾道ミサイル2発 与正氏「太平洋」への発射警告―国連安保理、21日緊急会合》と続いて報じた。

つまり2日続けて大陸弾道弾と多連装ロケット砲を発射したというわけである。北朝鮮の真意はわからないが《「前例のない 強力な対応に直面する」北朝鮮が警告 来月予定の米韓合同軍事演習 」》と反発していた。一方の韓米両軍は、来月中旬に合同軍事演習「フリーダムシールド」を11日間にわたり行う予定で、今回は5年ぶりに大規模な野外機動訓練を再開する予定だという。この演習は北朝鮮の目と鼻の先で行われるらしい。 “現代時評《煽る日米、怒る北朝鮮》山梨良平” の続きを読む

現代時評《超法規の国、ロシア》山梨良平

ウクライナにロシアが侵攻してはや一年が経とうとしている。この一年、男をあげたのがウクライナのゼレンスキー大統領、反対に男を下げたのがロシアのプーチン大統領だ。
プーチン大統領の考えや行動には、怒りとともに呆れるが、中でも筆者が「これは!?」と思うのが傭兵組織ワグネルの起用である。ワグネルの創始者は周知のように、元はプーチン大統領の料理人だったとか。いわば一番プーチン大統領に近い立場だったのだろう。敵の多い大統領にとっては料理人は一番信頼できる人間でなければ採用しないだろう。

そのワグネルがこともあろうに刑務所で兵士募集を始めた。もちろんプーチン大統領のも黙認もしくは許可のもとにだろう。漏れ聞こえてくる話では、半年間戦争に参加すれば背負っている罪を帳消しにして給与まで払うということらしい。ということは凶悪犯も半年後には無罪放免で野放しになるということである。市民にすればとんでもない事だと思われる。

いや、市民はもちろんだろうが、ロシア国防省の面々、つまり正規軍の立場から言えば面目丸つぶれということ以外に考えられない。警察と国防軍とは様々な面で繋がっているはずだ。事件が起きて必死で捜査して犯人を逮捕し、裁判にかけ、刑務所に収容した囚人を如何に私兵と言えども、いや相手が私兵だからこそ開放を黙認できるはずがないと思う。

ところが先日突然刑務所での徴兵をやめると発表した。何処からかクレームがきたのか、ワグネルの傭兵資金が枯渇してきたのか、正規軍からクレームが届いたのか、プーチンが正規軍のクーデターを恐れたのか、理由はわからない。筆者が考えるに、おそらくこれらすべての理由からだと思う。規律を重んじるはずの軍隊が超法規のワグネルをいつまでも野放しにしているプーチン大統領に苦言を呈したのかもしれない。それにしてもワグネルの資金は何処から出てるのだろう?

影の声が聞こえてきた。安倍政権時代の我が国もあまり変わらん?
河井夫妻事件!

現代時評《ロシアとNATOの戦い》山梨良平

昨年2月24日にプーチンのロシアがウクライナに攻め込んだ。なぜなのか、本当のところはプーチンの心のそこにあるからわからない。プーチンが声にして説明してもそれが事実かどうかは誰にもわからないし、わかったところでそれが真実であるかどうかも不明だ。またこの10か月程の間に様々な理由を述べている。それは戦況によってどんどん変わってきたし、今後も変わるだろう。 “現代時評《ロシアとNATOの戦い》山梨良平” の続きを読む

現代時評plus《先制敵基地攻撃とロシア #2》山梨良平

そんな折に日本の岸田首相は「閣議決定」という無謀な手で、敵基地攻撃能力を持つことにし、「防衛力」という「戦力」に「先制攻撃」を付け加えた。敵基地攻撃能力とは、弾道ミサイルの発射基地など敵国の基地や拠点などを攻撃する装備能力。 反撃能力ともいう。戦後の平和主義から一変した政策である。 “現代時評plus《先制敵基地攻撃とロシア #2》山梨良平” の続きを読む