LapizOpinion《Webメディアの台頭》一之瀬明

【LapizOnline】アメリカの話。 元メディア幹部のフィドラー氏は1980年代に「人々は紙に印刷された新聞を必要としないだろう」と唱えた。「新聞は持ち運びの出来る機器によって配信される。そして人々はそれを「読む」というわけだ。印刷された新聞を買うという行為は、端末に配信されるニュースを読むのと同等だ。勢い印刷工場でインクを使って、いや紙そのものを輪転機にかけ、トラックで運び、町の新聞スタンドで販売すると言うスタイルはすでに遅れている形態だと言わんばかり。 “LapizOpinion《Webメディアの台頭》一之瀬明” の続きを読む

神宿る。《宝生院のシンパク》片山通夫

【LapizOmline】宝生院は、香川県小豆島のある。このシンパクは香川県土庄町にある巨木でシンパクとしては国内唯一の特別天然記念物「宝生院のシンパク」で国指定特別天然記念物だ。
樹齢1,600年以上と言われ、周囲約16.9メートル、樹高約20.9メートルの巨木である。なんでも応神天皇お手植えだそう。この巨木を見ていると「象」「龍」「亀」がいるような気がしてくる。いやそう見えるのだ。考えてみると仏教に因んだ動物たち。
それゆえか神秘的で神聖なパワースポットとして多くの人に親しまれている。


宝生院:https://hoshoin.jp/about/
シンパク:植物学上、ミヤマビャクシンと言い、盆栽界では松に負けず劣らずファンが多い樹種 “神宿る。《宝生院のシンパク》片山通夫” の続きを読む

連載コラム・日本の島できごと事典 その159《非軍備の島》渡辺幸重

前島(「ハイホーの沖縄散歩=本島以外=」サイトより)

戦争をしてはいけない」と誰もが言います。しかし、その方法となると「軍備を増強して戦争を抑止する」から「非武装で外交によって平和を守る」までさまざまです。第二次世界大戦中の沖縄戦では各地で激しい戦闘が続き、人の命を奪うだけでなく生活基盤や社会インフラ、自然などすべてが破壊し尽くされました。その中で軍事施設がなく日本軍がいなかった島では破滅的な破壊を免れた例が見られます。いま、琉球弧(南西諸島)の島々に自衛隊のミサイル基地を含む軍事施設が配備され、日米の一体的な軍事体制が強化されつつありますが、沖縄戦での非軍備の島の体験は最近の軍備増強化は島の平和維持に逆行していることを教えているように思います。 “連載コラム・日本の島できごと事典 その159《非軍備の島》渡辺幸重” の続きを読む

LapizPhotos《路地のある町001》片山通夫

【LapizOnline】JR大阪駅にほど近い所に異次元に迷い込んだような町がある。
きっと「地上げ屋」と戦った時期があり、そしてその戦いに勝った人々が棲んでいるのだろうと勝手に思っている。そしてその人たちを尊敬している。

連載コラム・日本の島できごと事典 その158《バラス島》渡辺幸重

バラス島(「西表島モンスーン」サイトより)

沖縄・西表島(いりおもてじま)上原港の北東約2.5キロメートル、鳩離島(はとばなりじま)の北方約1.7キロメートルの海域に「バラス島(とう)」というサンゴの島があり、シュノーケリングや海水浴の観光ツアーで人気を得ています。ところがこの島は地図には載っていません。なぜでしょうか。 “連載コラム・日本の島できごと事典 その158《バラス島》渡辺幸重” の続きを読む

連載コラム・日本の島できごと事典 その157《からゆきさん》渡辺幸重

サイゴン在住のからゆきさん(ウィキペディアより)

 「からゆきさん」とは九州地方の西部や北部の言葉で、明治時代から昭和初期まで中国や東南アジアなど海外への出稼ぎのことあるいは出稼ぎに行った男女のことをいいます。島原地方(長崎県)や天草地方(熊本県)出身者が多く、長崎県の長崎港や口之津港などから海外に向かいました。特に出稼ぎだけでなく売られたりだまされたりして売春婦となった女性が『からゆきさん』(森崎和江著1976年)や『サンダカン8番娼館』(山崎朋子著1980年)などで取り上げられたことから「からゆきさん」というとこれらの女性を指すイメージが強められました。からゆきさんとして過酷な運命にさらされた女性の数は数万人、10~20万人、30万人とばらばらで確かな数はわかりませんが、背景には貧しさがあることを忘れてはなりません。実家に仕送りを続ける人も多かったでしょう。“ジャパゆきさん”という新しい言葉も思い出しますが、貧困は地域や時代を超える人類最大の悲劇かもしれません。 “連載コラム・日本の島できごと事典 その157《からゆきさん》渡辺幸重” の続きを読む