現代時評《プーチン流「非武装中立」の正体》井上脩身

ウクライナに軍事侵攻しているロシアは4月半ばになって戦力を東部に集中、戦闘はいっそう激化している。ロシアのプーチン大統領がウクライナに求めた「非武装」と「中立」で停戦合意できる見通しは立っておらず、戦争の泥沼化は必至である。そもそもプーチン氏が「非武装中立」を言いだしたのはなぜなのか。「非武装中立」は米ソの東西冷戦時代に旧社会党が掲げたスローガンであるが、プーチン大統領の口から出た途端、弱い者いじめの傲慢な言葉に堕す。そこには21世紀を「米露冷戦時代」にしようとのプーチン氏の野望が透けて見える。 “現代時評《プーチン流「非武装中立」の正体》井上脩身” の続きを読む

現代時評《戦前回帰》片山通夫

モスクワからの報道に、22年4月13日、《ロシア大統領、ウクライナ侵攻「冷静に」継続》とあった。
https://www.afpbb.com/articles/-/3400030

確固たる意志でウクライナの市民であろうと、街であろうと、無論ウクライナ軍も含めて戦争を、言葉を換えれば殺戮を手段を選ばず、時には「核兵器の使用も辞さず」の含みを持たせて、作戦を推し進めるということを宣言した。
ロシア国内では、反戦を訴えれば「敵性国民」とみなし、プーチンの言葉によれば、《欧米志向の市民をスパイを意味する「第五列」「裏切り者」》と呼び、取り締まる方針を改めて示した。

今のロシアを見ていたら、戦前の日本を見る思いだ。特高警察が小さな噂をもとに国民を監視する様はそのまま現代のロシアに見ることができる。
例えば「密告」だ。

最近次のような記事(毎日新聞)を目にした。
《ロシアは「密告社会」に戻るのか 録音された戦争批判で教師免職》ロシア国内の教育現場で、ウクライナ侵攻に反対した教師や、ウクライナ支持と受け止められるような発言をした教師たちが「露軍の信頼を失墜させた」などとして裁判所に罰金を言い渡されたり、免職となったりするケースが相次いだ。
詳細はこちら⇒ https://mainichi.jp/articles/20220412/k00/00m/030/001000c

日本もそうなる危険がある。一般論だが日本人の特性で「右へ習え」とばかりに一方の方向へ突っ走る。このサハリンの「密告事件」のように・・・・。
プーチンの言う「第五列」が「非国民」に変わるなんておぞましい。これだけは避けたい。

現代時評《厚顔無知か、健忘症か?》片山通夫

インターネットより

いや、安倍元首相のことだ。先頃北陸の福井新聞の招へいで彼が講演を行ったらしい。共同通信の記事で見つけた。曰く《「安倍晋三元首相が福井県で講演「最低限の打撃力は必要」ロシアのウクライナ侵攻、日本の防衛語る》 https://www.47news.jp/world/ukraine/7637193.html
その前には《「原発、重要な基幹電源」 安倍元首相 エネルギー安保で》
ウクライナの国民にとっても、東日本大震災による原発被害にあわれた方にとっても、あきれるほどの話だと思う。 “現代時評《厚顔無知か、健忘症か?》片山通夫” の続きを読む

609studioが集めたニュース・コラムなど

ウクライナ西部リビウに巡航ミサイルか、軍が迎撃と発表

⇒記事によるとこの巡航ミサイルはロシアからではなくベラルーシから発射された模様。もし記事が正しい場合、そしてウウライナが「敵基地攻撃能力」を安倍元首相のいうように持っていたら、ウクライナはベラルーシを攻撃していただろうし、ベラルーシは参戦し、戦線は直ちに拡散し第三次世界大戦が起こっているだろう。やはり安倍は危険な男だ。(片山通夫)
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609studioが集めたニュース・コラムなど

【ウクライナ関連】

全く個人的な印象で、トルコのエルドアン大統領を良くは思っていなかった。理由は簡単だ。彼はかなり独善的でウイキペディアによると「エルドアンが支配するようになった近年、トルコは民主主義の後退と腐敗を経験している。2013年の反政府デモを皮切りに、エルドアン政権は報道機関やソーシャルメディアへの検閲を強化し、YouTube、Twitter、Wikipediaなどのサイトへのアクセスを制限した。これにより、トルコのEU加盟に向けた交渉が停滞した。2016年7月に軍事クーデターが失敗し、さらなる粛清と非常事態が発生したエルドアンの統治は、
権威主義、拡大主義、検閲、政党や反対意見の禁止が増加していることが特徴である。  エルドアン大統領→ https://is.gd/pRYnD1 “609studioが集めたニュース・コラムなど” の続きを読む

現代時評plus《強制移住》片山通夫

嘘であってほしいというニュースを目にした。毎日新聞に「大テロルの再来? ロシア軍、ウクライナ住民を続々拉致・強制移住か」。また「ウクライナ人をサハリンなどへ強制移住 ロシア軍」。これはテレビ朝日が伝えた。
毎日新聞 https://mainichi.jp/articles/20220325/k00/00m/030/422000c
テレビ朝日 https://news.tv-asahi.co.jp/news_international/articles/000249393.html

日本が朝鮮半島を植民地にしたのは1910年の韓国併合から1945年の日本敗戦までの35年間。そしてソ連と日本の間が険悪になってきたのはちょうどそのころ。19世紀末ごろから国境を越えて朝鮮人が沿海州に移住し始めた。ところが日ソ間は険悪になり、ロシア人にとって、日本人も朝鮮人も見分けがつかないという理由で、1937年にスターリンにより中央アジアに強制移住させられた。
つまり1937年8月21日、政府・党中央委員会の極秘決定により、国境地域からの朝鮮人追放が命じられたのだった。 “現代時評plus《強制移住》片山通夫” の続きを読む

現代時評《ウクライナ戦争のなかのオペラ座》井上脩身

オペラ座・キエフ

オペラ座の幕上がる日来よ古都キエフ

私が所属している川柳クラブの3月例会に投句した句だ。ロシアは2月24日、ウクライナに軍事進攻したが、早期決着というプーチン大統領の思惑通りに進まず、長期化の様相を呈している。ウクライナ軍がプーチン氏の想定をはるかに超えて粘り強く反抗、ロシア軍の進撃を阻んでいるためとみられ、激しい爆撃に遭いながらもウクライナ市民はなお耐え抜いている。戦力ではるかに劣るウクライナがなぜ大国・ロシアとここまで渡り合うことができたのか。私は「オペラ座」に読み解くカギがあると考えている。 “現代時評《ウクライナ戦争のなかのオペラ座》井上脩身” の続きを読む

現代時評plus《核のボタン》山梨良平

ウクライナが大変なことになっている。ロシアのプーチンは驚くなかれ、「核攻撃も辞さない」と脅しをかけている。クレムリンの報道官は、「ロシアの国が消滅する危険がある場合」だという。

核のボタンに手をかけて世界に脅しをかけるプーチン。その露払いのようにチェルノブイリやその他のウクライナの原発を攻撃した。攻撃したロシア兵達はもしかして、いやおそらく原発の怖さを知らないのかもしれない。

一方、わが国では安倍元首相が「核の共有」などと、この機を利用して核武装論を述べだした。なんでもアメリカが持っている核兵器を「共用」したいらしい。アメリカが簡単に核のボタンを日本に渡すとは思えないが、少なくともそのように安倍や維新の松井などは考えている。

さて読者の皆さんに質問したい。安倍や松井にあなたは「核のボタン」を持たせたいか?持たせても大丈夫か?勿論非核三原則と言う原則はある。憲法9条と言う縛りもある。しかし彼らはこの縛りを変更するつもりのようだ。(敬称略)

現代時評《ソ連嫌いのロシア好き》片山通夫

日本人の中で意外に多いのが「ロシア好き」。ロシア文学、ロシア料理、バレエ、ロシア映画など文化面に興味を持ち、あの難解なロシア語を独学ででも学ぶ意欲のある方が多い。ロシア民謡などを青春の思い出で歌声喫茶などで歌った方も多いだろう。歌声喫茶は1950年頃から東京や大阪など都会で流行りだし、ロシア民謡からとった「ともしび」、「カチューシャ」、または「白樺」、「トロイカ」と言った店名が多くあった。
人々はそんなところでロシア民謡に親しみ、文学に傾倒し、シベリアの雪原に思いを馳せた。{写真はイメージ} “現代時評《ソ連嫌いのロシア好き》片山通夫” の続きを読む

現代時評《下馬評ですが・・・。》片山通夫

下馬評とは (下馬先で、主人を待っている間に、供奴(ともやっこ)たちがしあう批評やうわさ話の意から) 責任のないところで種々の評をすること。また、その評判。(コトバンク)

テーマはロシアのプーチン大統領とウクライナのゼレンスキー大統領のお話。

この戦争、完全にプーチンの位負け。だってプーチンはゼレンスキーが2・3日ですたこらさっさと逃げて行くと思っていた節がある。アフガニスタンのアシュラフ・ガニ大統領は多額の現金持って真っ先に逃げ出した。そして、日本の岡田隆大使はその前に逃げていた。そのような状況になることを夢見ていたのがプーチン。
ところが世の中そんなに都合よくプーチンの思い通りには行かない。 “現代時評《下馬評ですが・・・。》片山通夫” の続きを読む