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【609 Studio】email newsletter >2019年6月4日 No.908
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フォト・ジャーナリスト片山通夫のメールマガジンは現代時評、ロシア
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      グラフ誌 Lapiz夏号は6月1日発行いたしました。

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◆現代時評《NHKと安倍政権》片山通夫    
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トチ狂っているとしか思えない。安倍政権は「皆様のNHK」をわがモノにしたようだ。たとえてみれば政府の広報放送局である。

 例えば「放送内容の質問について『日本政府と懸け離れたものであってはならない』」 と就任早々の記者会見で言ってのけた籾井元NHK会長は極端だが、最近はその報道姿勢も籾井さんほど露骨でなく、巧妙になってきている。

 学校法人「森友学園」への国有地売却問題で大阪地裁は5月30日、情報公開請求のあった売却価格を非開示にしたのは違法だとして、国に賠償を命じた。
 ところがNHKは「値引き理由不開示は『適法』」との見出しで、国が「勝訴」したかのような報道した。他のマスコミはこぞって「売却価格の非開示を違法」との論旨で報道した。つまり見出しに「賠償命令」が使われていた。
 些細なことではない。巧妙な「政権擁護」の果てにあたかも判決が「適法とした」かのような印象を視聴者に与えたわけだ。

 最近、忖度なのか政権側からの働きかけなのかは定かではないが、NHKの放送は見る価値がない。NHKだけを信頼していたらとんでもないこ
とになりそうだ。
 NHKの幹部は国会や記者会見で「放送の自主自律を堅持する」と何度も繰り返して話している。それが事実ならば「値引き理由不開示は『適法』」との見出しが他のマスコミと大きく違うのは現場記者の「政権に忖度するNHK上層部」への忖度なのか。
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◆歴史散歩・スサノオ追跡《スサノオの新居》山梨良平     
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 草薙剣に関しては日本武尊がその剣で難を逃れた話も伝えられているがここでは割愛したい。

 さてスサノオだが、神様にしてはかなり人間臭いのだ。母のいる根の国に行きたいと泣き喚くという側面も持ち合わせたり、高天原では騒ぎを起こして追放されたわけであるが、地上に降りてからは、やたら利口な神様に大変身なのだ。
 何がスサノオを変身させたのかは不明だが、美しいヒメ、クシナダヒメがヤマタノオロチのいけにえにされるところを助けた縁でクシナダヒメを妻にして、出雲の根之堅洲国(ねのかたすくに)にある須賀(すが)の地(中国・山陰地方にある島根県雲南市)へ行きそこに留まった。
 その地には日本最初の宮である須我神社がある。スサノオとクシナダヒメの新居でもあった。
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◇◇きな臭い話、こぼれ話
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【南北朝鮮】

日本の水産物検疫強化で輸出に支障も 韓国政府が対策会議
http://www.chosunonline.com/m/svc/article.html?contid=2019053080222

米朝首脳会談決裂で金赫哲氏は死刑、金英哲氏は労役刑
http://www.chosunonline.com/m/svc/article.html?contid=2019053180075

自衛隊の弾薬庫、町長「説明は受けた」 住民には伝えず 沖縄・与那国
https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/425642

韓米首脳の会話漏えい 外交官と野党議員を刑事告発へ=韓国政府
https://jp.yna.co.kr/view/AJP20190528001000882

日韓防衛相会談、見送りへ=時期尚早と判断、「日中」は実施
https://web.smartnews.com/articles/fWKJwjTmJ6e

【壊れ行く日本】

「元島民には怒り心頭」丸山議員発言で根室市議会が議員辞職求める抗議決議
https://mainichi.jp/articles/20190530/k00/00m/040/140000c?fm=mnm

「上級国民」と叩かれる飯塚元院長の免許取り消し決定も批判殺到
https://www.mag2.com/p/news/400349

「その発言なら指さない」菅長官、東京新聞記者の質問に
https://www.asahi.com/articles/ASM5Y5RS9M5YUTFK01C.html

「戦争」言及の丸山議員、病気理由に聴取を拒否
https://www.yomiuri.co.jp/politics/20190528-OYT1T50249/

日米貿易交渉は参院選後と言うトランプ、日本の民主主義はバカにされているのか?
https://www.newsweekjapan.jp/reizei/2019/05/post-1086.php

「国賓の選挙利用だ」立憲・辻元氏、日米貿易交渉を批判
https://www.asahi.com/articles/ASM5X5KC6M5XUTFK019.html

与那国島の陸自駐屯地に弾薬庫 防衛省、住民に周知せず 資料は「貯蔵庫施設」
https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/425201

米軍関係者の犯罪、8割が不起訴 〝密約〟浮き彫り 日本平和委員会調べ
https://ryukyushimpo.jp/news/entry-925868.html

共同会見でハッキリ 日米記者の「質問力」は“大人と子供”
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/254842

【世界の街角から】

*サハリン・ロシア*

新型ロシア地対空ミサイルS-500の強みと弱みを専門家が解説
https://jp.sputniknews.com/russia/201906016315154-S-500/

ロシア・ザバイカルで旅客列車が脱線
https://jp.sputniknews.com/incidents/201906016316381/

*アジア・アフリカ*

牡丹社事件、末裔の和解を描く書籍出版 日本人作家が相互理解訴え
japan.cna.com.tw/news/asoc/201905310006.aspx

南鳥島でスペイン語の手紙入ったボトル 太平洋を10年余漂流か
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190517/k10011919641000.html

大山噴火で関電に設計変更命令へ 原発に想定超す降灰恐れ、運転停止は
求めず
https://www.fukuishimbun.co.jp/articles/-/863702

*東西ヨーロッパ*

ハンガリー遊覧船事故 捜索を隣国まで拡大=韓国人19人なお不明
https://jp.yna.co.kr/view/AJP20190531004300882

*南北アメリカ*

激化する通信覇権争奪戦 ファーウェイ排除の背景にあるもの
https://www.chosyu-journal.jp/seijikeizai/11808

【こぼれ話】

ロシア語に入ってきた外来語の「第二の人生」
他の言語で使われなくなって久しいいくつかの単語が、ロシア語のなかではまだ生き残っている。あなたはそういう言葉をご存じだろうか?
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           片山通夫関連Website

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              【著書案内】

         《サハリン逍遥》 片山通夫写真集

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    「追跡!あるサハリン残留朝鮮人の生涯」 片山通夫 著

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◆編集長から:片山通夫
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 6月に入りました。水無月(みなづき)です。ただこの呼び方は陰暦での呼び方。水無月は「水の月」が語源だとする説や田植が終わって田んぼに水を張る必要のある月「水張月(みづはりづき)」だという説があるが定かではない。

 ともあれ夏になったという気分でいっぱい。衣替えの季節でもある。これからの暑い夏をどう乗り越えるかが課題でもある。
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発行  2019年6月4日 No.908
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>2019年5月28日 No.907

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お知らせ

グラフ誌 Lapiz夏号は6月1日発行予定です。

春号バックナンバーは下記へ!

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◆現代時評外交と言える代物か》片山通夫    

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 見え透いたお世辞外交だ。安倍・トランプ外交をいう。安倍はおそらく新天皇との世界最初の会見を餌にトランプの対日貿易交渉の先延ばしを図った。そしてそれがトランプ氏「8月に日米に素晴らしい発表」と。 トランプ氏は冒頭、日米貿易交渉について「おそらく8月に両国にとって素晴らしいことが発表されると思う」と語った。と朝日新聞が伝えた。 そういえば7月は参議院選がある。衆参同日選の噂もちらほら。トランプは安倍の国賓としての待遇に貿易交渉を8月に伸ばした。つまり安倍政権は対米譲歩を今以上にするというサインだ。しかしそれは選挙前ではまずい。 我々はこのことを肝に銘じて選挙に臨むべきだ。8月にはとんでもない請求書がトランプから届く。

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◆歴史散歩・スサノオ追跡《草薙剣-5》山梨良平     

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 妖しい話ばかりだ。過日天皇が変わった。平成から令和に。この時、神道にのっとって天皇が様々な行事を行ったことは、テレビなどの報道で広く知られている。ところが草薙剣を始めいわゆる三種の神器はすべて形代だという。そのくせ「誰も見たことがない」とも。この度の皇室の行事について、BBC は次のように伝えた。《「三種の神器」、皇室が持つ謎の宝物三種の神器も、こうした神道の一部だ。神々から、直系の子孫とされる皇室に代々伝えられていると言われている。日本の天皇は王冠を被らない代わりに、三種の神器が皇位を表す。しかし、神聖なこれらの宝物は、人々の目から隠されている。名古屋大学の河西秀哉教授はBBCの取材に対し、「いつ作られたのか分からないし、見たことがありません」と説明した。「天皇ですら見たことがないのです」皇室の即位式である「即位の礼」においてさえ、形代(かたしろ、レプリカ)を使う。なお、このレプリカもまだ披露されていない。》 全くの謎としか言いようがないし、確かめようがない。それが日本的なのかもしれない。

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◇◇きな臭い話、こぼれ話  2019/5/26午前 現在

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【地震・火山情報】南米ペルーでM8.0の地震https://web.smartnews.com/articles/fWpwk6VzAL8

千葉で震度5弱 目立った被害確認されずhttps://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000155470.html

箱根山 火山活動活発化 噴火警戒レベル2に

https://www.fnn.jp/posts/00417875CX

【南北朝鮮】韓日漁業交渉に最善尽くす代替漁場の開発も=韓国長官https://jp.yna.co.kr/view/AJP20190527000300882?section=politics/index

「米の態度の変化なくして非核化交渉なし」、北が改めて対米批判https://www.afpbb.com/articles/-/3226690

金正恩はトランプに会うとき英語が不安だった─元側近https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2019/05/post-12165.php

【壊れ行く日本】抗議市民を網で囲い込み 民間人が〝身体拘束〟 埋め立て用土砂を搬出している本部塩川

https://ryukyushimpo.jp/movie/entry-924493.html

部落差別発言 「人権」の原点に立ち返れhttps://web.smartnews.com/articles/fVTeV5FWWcs

「日銀は株をいくらでも買う“モンスター”」フジマキが日銀頼みの危うさを超解説https://dot.asahi.com/wa/2019052300027.html

勤労統計 公表延期 3月分、新たにミス再計算

http://u0u0.net/d9V9「彼をNHKに戻すな」政権との距離感、前会長も警戒https://www.asahi.com/articles/ASM5K672RM5KUCLV00L.html?ref=mor_mail_topix1

福島廃炉事業、5割違反 18年、再び増加 割増賃金不払いなど

http://u0u0.net/McOV

丸山議員がロシアに謝罪した維新を批判

https://this.kiji.is/502810907810972769

【世界の街角から】*サハリン・ロシア*人知れずエゾヤマザクラ満開 樺太開拓農家が植樹【ユジノサハリンスク細川伸哉】ロシア・サハリン島の人里離れた原野で、戦前に日本の開拓農家が植樹したとみられる約20本のエゾヤマザクラの並木が人知れず満開を迎えている。先人の営みの名残もあり、苦労がうかがえる。https://www.hokkaido-np.co.jp/article/308661

ロシアは東方を夢見る 週のはじめに考える

http://u0u0.net/74fv

*アジア・アフリカ*

玉城デニー知事、基地問題訴え全国行脚 6月11日からキャラバンhttps://ryukyushimpo.jp/news/entry-925359.html

日韓首脳会談、異例の見送りか河野外相「現状難しい」https://www.asahi.com/articles/ASM5S4S2XM5SUTFK00V.html

コロンボ港、日印などで共同開発中国にらみhttps://www.nikkei.com/article/DGXMZO45020000Q9A520C1MM8000/?n_cid=NMAIL007

*東西ヨーロッパ*メイ英首相、辞任を表明

https://www.cnn.co.jp/video/18412.html

*南北アメリカ*

米、アサンジ被告をスパイ活動法違反で起訴 報道の自由巡る議論もhttps://www.cnn.co.jp/usa/35137439.html

ロシア爆撃機がアラスカに接近、米戦闘機がインターセプトhttps://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2019/05/post-12174.php──────────────────────────────────────           片山通夫関連Website  

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《サハリン逍遥》 片山通夫写真集 サハリン残留朝鮮人の取材のため15年間サハリンに通った写真家が自然や人々の暮らしを折にふれて撮りためた素顔のサハリン。さり気ないアプローチでとらえた被写体にユーモラスな文章をそえた魅力的な写真集。        群像社刊 モノクロ152ページ、予価1800円+税        

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   「追跡!あるサハリン残留朝鮮人の生涯」 片山通夫 著  日本の植民地統治が生んだ一家離散「二重徴用」「急速転換」「樺太への逆密航」を語る貴重な証言!!   

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◆編集長から:片山通夫

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 地震が、火山が、その上暑さが・・・。まもなく台風のシーズンも迎える。自然災害はなかなか防ぎようがない。けれども備えあればともいう。この前の日曜日に和歌山へ行った。阪和線や紀勢線を通る列車には「津波の時の注意書」が掲載されている。そういえば南海トラフ地震の危険も迫っているとか。やはり日ごろからの退避経路や訓練が必要だ。 おのおの方、ご油断召されるな。

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現代時評《新聞は誰のためにあるのか》:片山通夫

こんな文春の記事が目についた。

 《「なめた記事を書くんじゃない!」 二階幹事長が読売新聞に激怒》

 なんでも訪中した二階氏がまるで「先生と生徒のよう」だと、中国国内の報道をみた中国国民がネットで批評したことを取り上げた記事だそうである。

https://bunshun.jp/articles/-/11844?page=1

 その二階氏の中国での行動をここで云々(デンデンではありません)するつもりではない。二階氏が読売の記者をつかまえて、冒頭に述べたように「なめた記事を書くんじゃない!」と激怒したという。このことはつまり政権をも含めた二階氏(自民党幹事長)率いる自民党がいかにマスコミを私兵視しているかの表れだ。

 私たち国民はもっと怒らなくてはならない。新聞を支えているのは読者である。一説には大企業という人もいるが…。それでもその大企業を支えているのは我々国民だ。

 その国民をないがしろにして、二階氏が自分の「醜態」を中国ネットでこき下ろされた

と読売の報道に激怒する理由は、たった一つ。

 おごり高ぶっている自民党だからこそ言えるセリフであり態度だ。

 「もういいでしょう」とはテレビドラマの黄門様のセリフだが、国民もそろそろこのセリフを吐く準備に入らなくては・・・。

現代時評《皇位》片山通夫


 皇位とはそのまま、御座居」(みくらい)の意味で、天皇の玉座である高御座に居るという意味である。前天皇から皇位を受け継ぐことを皇位継承、または「皇位を踏む」ともいう。古代では「日嗣(ひつぎ)」が皇位と同義語である。諸外国における国王・皇帝の地位を意味する王位・帝位に相当する。

ウイキペディアに知識を求めたらこのように書かれていた。つまり天皇の位置ともいえる。今、我が国は平成から令和へと時代が変わった節目で、国中が大騒ぎである。筆者は皇室にこのように国民の眼が向くのはとても素晴らしいことだとは思う。しかしその皇位に穏やかならない噂が流れるのは決して面白くない。これは天皇や皇族にとっても同様のことである。あらぬ噂を週刊誌ネタにすべきではないと思うのである。

 まさか天皇は神聖にしてとは思ってもいないが、その天皇の皇位継承に穏やかならない噂を聞くことがある。例えば、大政奉還されて幕府から政権を受け取った孝明天皇と明治天皇の続柄。孝明天皇暗殺の噂など穏やかならぬ話が巷を駆け巡った。無論、150年もの前の出来事である。しかし一部の政治家とそれを支える人々の間では、明治に回帰することは夢だと公言してはばからないとも聞く。こうなるとまさか陛下の暗殺などは論外だろうが、皇位の継承という点からいうと女性天皇や女性宮家などの実現は全く不可能だと思えるのである。

 憲法第1条には「天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であつて、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く」と書いてあって、第2条で「世襲」と明記されている。どこにも天皇は男子に限るとは書かれていない。

 勝手に解釈するとはまるで安倍内閣の「閣議決定」だ。

現代時評《ホンマかいな?》片山通夫


 以外に強い口調で非難したと受け取れる。

《「なんとかなると思ったら大間違いだ」規制委員長 テロ対策遅れの原発認めず》

 毎日新聞が4月24日付で伝えた。筆者は目を疑った。だって言っちゃ悪いが今までなあなあの関係だとばかり思っていたからである。朝日新聞も《テロ対策施設、未完成なら原発停止 再稼働原発の停止も》と伝えている。

 原発は新規制基準でテロ対策拠点として義務づけられている「特定重大事故等対処施設」である。その規定に基づいて「原子炉の工事計画の認可から5年」とした設置期限の延長を認めないことを決めた。関西電力、四国電力、九州電力の計6原発12基は期限を1~3年ほど超過する見通しで、再稼働済みの5原発9基については施設が完成しなければ運転停止となる。(毎日新聞)

 電力会社にとっては危機である。

しかし気になることがある。

 あの官房長官が24日の記者会見で、《原子力規制委員会が電力会社に対し、テロ対策施設の完成期限の延長を認めない方針を決めたことについて「今後具体的な手続きを検討すると聞いている。原子力規制のあり方は、高い独立性を有する原子力規制委員会の判断に委ねるという政府の方針に変わりはない」と述べた》と産経新聞が伝えていることだ。

 疑い深くなってしまった筆者が悪いのか、えらい素直な官房長官だと思ってしまった。

 なにしろ、悪代官の名をほしいままにしている官房長官が「高い独立性を有する原子力規制委員会の判断に委ねる」なんて言い切っているのだから・・・・。そしてその報道は産経新聞だけでなく朝日もロイターも時事通信もカバーしていた。

 筆者でなくとも「ホンマかいな?」と耳を疑うのである。

勿論、原子力規制委員会にも菅官房長官にもである。

現代時評《ようやくのアイヌ新法》片山通夫

19日の時事通信が次のように伝えた。

アイヌ民族の誇りを尊重し、必要な支援策を盛り込んだ新法が19日の参院本会議で与党などの賛成多数で可決、成立した。法律上初めてアイヌを「先住民族」と明記。産業・観光振興などに使える交付金を創設すると定めた。公布後1カ月以内に施行される。  http://u0u1.net/WdQF  

 アイヌ民族には長い歴史がある。

アイヌ民族はいわゆる北方少数民族とされる。江戸時代にさかのぼれば、当時の樺太アイヌに突き当たる。彼らはアムール川の河口あたりのも出没したようだ。そして蝦夷地、現在の北海道にも住んでいた。北海道の一部は松前藩が治めていた。その頃の日本はいわゆる鎖国でわずかに長崎の出島でオランダ、中国(明朝と清朝)との間の通商関係に限定されていた。また朝鮮王朝及び琉球王国との「外交に限られていた。

 しかしながら、松前藩はアイヌ民族との交易にいそしんでいた事実がある。松前藩はアイヌ民族を使役し略奪したが、交易も行っていた。アイヌ民族は樺太と通じて中国との交易に参加していた。山丹交易である。山丹人とは樺太の対岸に住む人々を指した。その山丹人たちは中国(明や清朝)との交易をおこなっていた。実際は中国がアムール河口あたりまで朝貢を強いていたからであろう。ただ中国の朝貢は緩やかなものだった。

 それでも山丹人は中国の都まで時には赴いた。その時中国は様々なお土産を山丹人に贈呈した。その一部が蝦夷錦(山丹服)と言われる錦織の豪華な着物である。アイヌ人がこれを着ていた絵などが残っている。

 このようにアイヌ民族は「自由に」北の大地や樺太、時にはアムールの河口まで出かけていた時代があった。彼らは狩猟民族なのである。

 しかし明治になってアイヌ民族を日本人化させることになって、政府は勧農政策を実施し、1899年に制定された「北海道旧土人保護法」で土地の無償下付や農具の給付など優遇制度を実施したが、既に日本の開拓民たちがいい土地(この土地ももともとはアイヌのもの)を取得してしまったあとで与えられた土地が農業に適してなかったりしてアイヌの人々の生活改善には効果がなかった。

北海道旧土人保護法はアイヌ民族を次のように縛った。

アイヌの土地の没収、収入源である漁業・狩猟の禁止、アイヌ固有の習慣風習の禁止、日本語使用の義務、日本風氏名への改名による戸籍への編入などである。つまりアイヌ民族固有の文化・風習などの否定だった。

 ちなみにこの北海道旧土人保護法は、驚くなかれ、1997年(平成9年)7月1日、アイヌ文化の振興並びにアイヌの伝統等に関する知識の普及及び啓発に関する法律(1997年(平成9年)法律第52号、アイヌ文化振興法)は国会で全会一致で可決成立したことにより廃止された。

 そして今日、アイヌ民族の誇りを尊重し、必要な支援策を盛り込んだ新法が19日の参院本会議で与党などの賛成多数で可決、成立したわけである。

 我々の長い歴史の中で、アイヌ民族がようやくその民族の誇りを尊重される時代になった。そして彼らが我々とともに住むこの土地の先住民であることを認めなければならない。

 これを機会に我々の住むこの国は多民族国家であることも同時に認識したい。

 

 

現代時評《WTO逆転敗訴に逆切れする官邸》片山通夫

 「逆切れする官邸」まさにこの表現がぴったりだと言える。WTOの上級委員会が過日「韓国による福島県など8県産の水産物輸入規制措置」を容認する判決が下だした

 そもそもWTOに韓国が8県産の水産物輸入規制措置を行っているのは不当な行為だと訴えを起こしたのは我が国政府である。それだけに勝算があったはずである。

 しかしあえなく敗訴が確定した。現場の8県は大きな痛手を被った。こんな訴えを起こさなかったら韓国との2国間交渉で話をつけることもできた。しかし、WTOという国際機関に舞台を移したがために、この敗訴の決定は世界中に知れ渡ることになった。安倍政権の完敗、つまり読み違いである。

 それでも「菅義偉官房長官は12日閣議後の会見で、韓国による福島などの水産物輸入禁止措置をめぐる世界貿易機関(WTO)紛争処理の最終審について「(日本の)敗訴との指摘は当たらない」と述べた。その上で、韓国に対し、科学的根拠に基づき禁輸措置全体を撤廃するよう二国間協議を通じて求めていく考えを示した」とロイターは伝えた。

 一向に現実を認めようとしない政府だ。

 安倍首相は「オリンピックを招致するとき、原発はアンダーコントロールされている」と世界を相手に公言した。しかしながらその対策は恐ろしくいい加減だった。

 汚染水は増え続けてゆく一方だが、業を煮やしたのか「汚染水は希釈して海に流す」などと言い出した。これには近隣の各国はもちろん、地元の漁師たちも驚いた。

 海に放射性物質を含んだ汚染水を海に流すと言いながら、片方で海産物の禁輸は不当だと訴えても全く説得力がない。まして外国の政府相手に「禁輸はけしからん」と訴えたのは安倍政権である。自国の国民の安全(この場合健康上の安全)を守るのは時の政府の使命である。逆に言うと安倍政権は日本国民の安全をおろそかにしている証左でもあるのだ。

 今一つ、安倍政権はなぜか韓国に対して高圧的だ。歴史認識の違いと言ってしまえばそれまでだが、筆者が韓国やサハリンで1999年以来今日まで取材してきた限りの置いて、このようなかの国に対して高圧的な態度をとる政権は見たことがない。

 安倍政権とその支持層は間違っているとわかっているはずの右翼的な歴史認識で高圧的に接してきた。このような敵対的に韓国と接する政策こそ、我が国にとって不幸でしてはならない政策である。

 安倍首相がそんな政策を推し進めてきた結果である。

 安倍政権は逆転敗訴を素直に認めてフクシマをはじめとする国民を救済し、韓国をはじめとする諸外国に対して節度ある態度をとるべきである。

 しかるに共同通信によれば官邸内では誰かが(敗訴の)責任を取らされるのではともおっぱらの噂だとか。

 冗談ではない。この報道が事実なら真っ先に責任を取るべきは安倍首相、その男でしかない。逆切れする官邸なんてみっともないだけだ。

現代時評「令和騒動」片山通夫

まさに騒動。安倍政権は申すに及ばず、マスコミもテレビはもちろん冷静沈着なはずの新聞までが大騒ぎだ。行ってみれば日本と言う国全体が騒動状況である。 漏れ聞く当事者である皇室の状況は、皮肉なことに至って静かなのである。天皇は皇后とともに残された時間を着々と退位のために過ごされているとか。皇太子も同様である。
 一方市井では「改元詐欺」に注意を呼びかけ、改元景気なるものに期待を示す。

 そんな中、安倍首相は「令和」が我が国初の国書からとられたと鼻高々であっ

た。 なんでも出典は《初春(しょしゅん)の令月(れいげつ)にして、気淑(よ)く、風和(やわら)ぎ、梅は鏡前(きょうぜん)の粉(こ)を披(ひら)き、蘭(らん)は珮後(はいご)の香(こう)を薫(かお)らす》。天平2(730)年正月(旧暦)13日、九州・太宰府の長官、大伴旅人(おおとものたびと)の屋敷で、梅の花を愛でる宴会が開かれた。その際の様子を描いたもので、「初春のよい月で、空気がよく、風は和らいでいる。梅は鏡の前の美女が化粧する白粉(おしろい)のように開き、蘭は身を飾った香のように薫っている」という意味だ。
  その中の「令月」の「令」、「風和ぎ」の「和」を採った命名だという。

 しかし、ニューズウイークは非情にも、次の通り伝える。

 《清王朝以来「年号」を失ってしまった中国の民の、日本の新元号「令和」に対する関心の熱さは尋常ではない。元号発表の数分後からネットは反応し、「令和」の由来が東漢の張衡の『帰田賦』にあると燃え上がった》
⇒ http://ur0.biz/0mEk

 つまり決して安倍政権が胸を張って言うようなことではないというのだ。 また口の悪い連中は「令」は命令を指し「和」はその令におとなしく従うという意味にもとれるといいっている。従順な日本の国民性を表す「いい年号」だというわけだ。

 現に発表当初、アメリカのブルームバーグ通信は新元号について、「命令の『令』に平和・あるいは調和の『和』で『Reiwa(れいわ)』と報じた。

 慌てた政府は4日になって令和の英訳を発表した。「ビューティフル・ハーモニー」だと。「美しい調和」と意味するのが令和だという。

 インターネット時代の世の中、1日に発表して4日に英文訳を付け加えるのではかなりの遅れである。

現代時評《サミット》山梨良平

ハノイで開催された米朝首脳会談。金正恩(キム・ジョンウン)北朝鮮国務委員長とドナルド・トランプ米大統領は失敗劇を演じた。いつも世界中で演じられるサミット=首脳会談は最後には「笑顔で」覚書などにサインして共同記者会見を演じる。

 しかしこのサミットはいささかそのおもむきがかわっていた。通常そのテーマでかなりのすりあせが行われるはずだった。いや、外部からはうかがい知れないが、熾烈な交渉が両国のスタッフ間で繰り広げられたはずだった。

 そしてサミット。そこでは握手と笑顔の首脳たち。難しい問題をまとめ上げることができた両国のスタッフ。満面の笑みで覚書を取り交わし、共同記者会見に臨む・・・。

 こんな筋書きは見られなかった。

 ところでウインストン・チャーチルをご存じだろう。そう、彼はイギリスの首相だった。1950年2月、冷戦中のソ連の首脳との会談をやってのけた。彼はその会談をサミットと呼んだ。サミット(頂上)に登ることも至難の業だが、そこから降りることもまた難しい。  

 ハノイで後の見通せない会談をやってのけた二人の首脳は今後のサミットをどの手から差し伸べるのか、興味は尽きない。

 ところで最近になって安倍首相が「次は私自身が金氏と向き合わなければならない」と述べ、拉致問題の早期解決に向け日朝首脳会談の実現に意欲を示したと産経新聞が報じた。(19年3月6日)。

 この報道を受けてかどうかは定かではないが、北朝鮮の朝鮮労働党機関紙、労働新聞は8日付の論評で、安倍晋三首相がトランプ米大統領に、ハノイで2月末に行われた米朝首脳再会談で日本人拉致問題を提起するよう要請したことを「主人のズボンの裾をつかんで見苦しく行動した」と名指しで非難した。

 これじゃ日朝サミットは絶望的かもしれない。

◆現代時評《負うた子に教えられ・・・》:山梨良平

「東京望月衣塑子記者など特定の記者の質問を制限する言論統制をしないで下さい。」、「東京都の中学2年生14歳です。 報道の自由について考えています。 よろしくお願いします。」

 こう書きだしたのは山本あすかさん。

 次いであすかさんは「特定の記者の質問を制限する報道規制をやめてください。内閣記者会の皆さんは、官邸の報道支配に負けないで下さい。今回の規制を受け入れたらさらに報道の自由が制限されていく可能性もあります。」と続ける。

 そして署名を1万筆募った。キャンペーンを始めてたった2日間で目標が集まったという。賛同者が1万を超えたら首相官邸と内閣記者会へ署名を持ってゆくという。

 はたして官邸を始め内閣記者会はこの純真な少女と彼女を支える1万の国民の要請にどのように応えるか。まさか無視はできまい。

 あすかさんは官邸が質問する記者を虐めているととらえた。そして「政府や大人がいじめをやったり、いじめを傍観する共犯者になるから、日本からいじめがなくならないんです。」と断じた。まさに正論である。。

 さあ、この賢明な少女の言に耳を傾けよう。