現代時評plus《緊急事態宣言 その1》片山通夫

コロナ蔓延下のオリンピック

日本の政府関係者やオリンピック委員会の人々は、実際のところこのコロナ事態でオリンピックやパラリンピックが開催できると思っているのだろうか。中にはバッハIOC会長のように、狂信的に「コロナが原因で開催できないことはない」と言い張る人物も一部にはいる。
莫大な金をかけて開催の準備を続ける意味はあるのか、筆者は大いに疑問に思える。一体だれのための開催か。一体何のための開催か。

そんなことを考えて居たら「爆発的」ともいうべきコロナ蔓延が東京、大阪などで起こってきた。大阪の知事は時には「逆切れ」を起こしながらテレビに出続けて大方の顰蹙を買っている。東京の知事は「女性最初の首相」を狙っているなどといろいろ憶測されて、それでもそれを否定しないで、あわよくばとこの非常事態でも「自分ファースト」よろしく暗躍しているように見える。
おりしもIOCのバッハ会長が来日するとか。主催都市である東京都知事はバッハ会長を説き伏せて五輪中止を発表するのではないかと筆者は憶測する。緑のタヌキの異名をとる都知事のことだ。これくらいは朝飯前だろう。(この稿続く)

*タイトルを変更しました。

【609 Studio】email newsletter > 2021年4月20日 No.998

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◇連載コラム・日本の島できごと事典 その20《選挙権のない島》渡辺幸重
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バックナンバー・連載コラム・日本の島できごと事典     ──────────────
 日本でいちばん人口が少ない自治体(村)は伊豆諸島・青ヶ島村で、2015年国勢調査では178人となっています(原発事故のため避難者が多い福島県の飯舘村と葛尾村を除く)。“鳥も通わぬ”といわれた八丈島からさらに約64km南下したところにあるのが面積5.96平方キロの小さな青ヶ島です。
日本で初めての選挙が行われたのは大日本帝国憲法発布翌年の1890年(明治23年)の衆議院議員選挙のときです。選挙権を持つのは、直接国税を15円以上納めている満25歳以上の男性のみで、1925年(大正14年)になって25歳以上のすべての男性に広がりました。満20歳以上の男女すべての日本国民が選挙権を持つようになったのは1945年(昭和20年)の第二次世界大戦後になってからのことです。ところが、青ヶ島で初めて国政選挙が行われたのは1956年(昭和31年)7月8日の参議院議員選挙でした。青ヶ島の住民には明治時代から敗戦10年後に至るまで選挙に参加することができず、憲法違反の基本人権剥奪が続いていたのです。
公職選挙法第8条には「交通至難の島その他の地において、この法律の規定を適用し難い事項については、政令で特別の定をすることができる」とあり、同法施行令第147条には「東京都八丈支庁管内の青ヶ島村においては、衆議院議員、参議院議員、東京都の議会の議員若しくは長又は教育委員会の委員の選挙は、当分の間、行なわない」とありました。これが1956年6月6日の改正まで存在したのです。
昭和20年代当時、島の中学生は作文に次のように書いています。
「(新しい憲法に)国民は自由、平等、国の主人公だと書いてあるとおそわった。けど、それはうそだと思う」
「この島の人たちには選挙権がありません。えらい人たちは口先きばかりで、実際にやっていないのです。便利なところでも不便なところでも、住んでいるのは日本人なのです」
「口ばっかりの民主主義はほしくない。ぼくはくやしい。かなしい」

投票箱を運ぶのが間に合わない、という理由だけで青ヶ島の人だけ選挙権が奪われました。私たちはこの歴史を忘れることなく、かつての島の中学生の声を自分の気持ちのなかにあらためて受けとめたいと思います。

※写真:<青ヶ島 青ヶ島村 評判&案内 | トリップドットコム>より

連載コラム・日本の島できごと事典・バックナンバー/

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◇現代時評《今更だけど》山梨良平
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わが国の過去からの実績(?)がここにきて顕著に表れてきた。戦前は「退却」を「転進」といったらしい。また「全滅」は「玉砕」。所謂大本営発表である。

少なくともわが国の政治屋や官僚はこの血を見事にかつ脈々と受け継いできている。昨夜(21年4月13日)あたりの新聞に掲載されている記事を見ればそれが実感できる。「汚染水」を「処理水」などと言い換えればまるで「浄化された水」のごとくの印象を与える。いやそれが目的だろう。マスコミも戦前と同様、権力に迎合して同罪である。麻生氏に至っては「飲める」らしいと宣ったと
いう。本人は十二分に生きてきただろうから「処理水飲んで見事玉砕」されようがご勝手にというところだが、老後の貯えも十分でない我々国民はそうは行かない。

閑話休題。
維新の大阪はここにきて大変なことになっている。コロナ地獄とでも表現するしかしようがない。保健所や病院を減らした報いが今になって表れてきたわけだ。4月17日のNHKニュースでは「大阪府 医療体制ひっ迫で滋賀県に支援要請」とあった。
およそ、国民の生活を脅かすような政治は政治とは言えない。文化をないがしろにする政治、科(化)学、等の予算を削るような政治はもはや政治とは言えない。無論病院や保健所などの国民の健康を守るべき装置は当然である。図書館に国公立の学校などに効率や金銭的な利益を求める政治もしかりである。ましてや原発の汚染水を海に流すという暴挙は論外といえよう。

日本の政治屋はこのことを改めてわきまえす必要がある。
最後に日本国憲法の25条を紹介しておきたい。憲法は「国民を縛るのではなく政府を縛る」ものだ。

第二十五条】
すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなけれ
ばならない。
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◆編集長から:片山通夫
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台湾が注目されている。コロナに打ち勝っている台湾だ。人口23,568,378人(2020年)。
一つのエピソードを紹介したい。
⇒感染確定者との接触者を「明確な濃厚接触者」「濃厚接触もしくは接触可能者」「公開した同一時刻同一場所にいて症状のある人」と3種類に分類して、隔離措置、経過観察、診察検査を行う。なお、濃厚接触者とは「感染確定者と1~2メートル以内で15分以上接触した人」と明確に定義されている。
詳しくはダイヤモンドオンライン

わが国のコロナ対策とは根本的に違う。

さてその台湾だが近頃中国の「覇権主義」で不穏な空気が漂ってきている。中国軍機が煩雑に「航空識別圏」を超えて台湾側を威嚇しているのだ。その台湾海峡の不穏な空気を一掃するためにこのほどの日米首脳会談で「台湾海峡の平和と安定の重要性確認」し、共同声明にも明記したという。今後の日米両国は無論、台湾海峡の状況を注視したい。
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発行    2021年4月20日 No.998
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現代時評《B29に立ち向かう竹槍》片山通夫

今日・21年4月8日現在、日本の新聞などで「ワクチンパスポート」を検索してみた。無論漏れがあることも承知の上で書くと、ほぼすべてが海外のニュースの紹介だ。例えば「全米初のワクチンパスポート運用 ニューヨーク州、アプリで証明」と共同通信が伝えたのは3/27(土) 12:29配信。
3/27(土) 12:29配信記事では「ANAがワクチン接種履歴などのデジタル証明書実験を実施 実用化には各国の承認が必要」という記事が同じ共同通信が伝えた。 “現代時評《B29に立ち向かう竹槍》片山通夫” の続きを読む

現代時評《アメリカ世》山梨良平

琉球国 第18代 尚育王

「アメリカ世」という言葉がある。「アメリカゆー」と沖縄では発音する。あの忌まわしい戦争で日本が負けた時から、沖縄は「アメリカ世」と呼ばれることになった。1972年までの27年間を指す。この間沖縄はアメリカの一部として扱われた。ものの本にはこの27年間では沖縄の公用語は日本語とともに(事実上ではあるが)英語と書かれている場合もある。少し歴史を振り返る。明治時代のことである。実に失礼な話だが「琉球処分」という言葉がある。
当時は薩摩に隷属していたとはいえ、琉球王国と呼ばれる一個の王国だった。しかし明治政府によって日本の版図に組み込まれ沖縄県となった。(詳しくは註) “現代時評《アメリカ世》山梨良平” の続きを読む

現代時評《同性婚容認と夫婦別姓否定の混在》井上脩身(Lapiz編集長)

同性同士の結婚を認めないのは、「法の下の平等」を定めた憲法に違反するとの初めての判決が3月17日、札幌地裁で言い渡された。婚姻に関する「両性の合意のみに基づいて成立」との憲法24条の規定は男女の結婚を前提としている、というこれまでの常識を180度変える画期的な判断である。一方でその2日後の19日、岡山県議会は、選択的夫婦別姓制度反対の意見書を採択した。この意見書の本質は現憲法を否定し、明治憲法下の家父長的家制度への回帰を求める復古主義である。21世紀にふさわしい新たな価値観を見いだすのか、それとも人権を抑圧する19世紀国家に回帰するのか。戦後、民主主義を基調として国づくりを進めてきた我が国は、20世紀が終わって20年がたった今、重大な岐路に立っている。 “現代時評《同性婚容認と夫婦別姓否定の混在》井上脩身(Lapiz編集長)” の続きを読む

◇現代時評《謎の国 ロシア》片山通夫

およそ過去も現在も、そしておそらく将来も謎に満ちた国と言えばロシアがある。決して国全体が裕福ではない。おまけに言葉は複雑だ。最も西欧から見れば漢字を使う国である日本や韓国、中
国、台湾なども不可思議な国に見えているのではと思うが…。面積こそ世界一だが、人口は約1億4000万で日本をわずかに上回る程度。経済規模は日本の3分の1以下、米国の10分の1以下で、世界で12位。G7各国はもちろん、韓国をも下回る。
まず民族的に言えば150とも200ともいわれている民族がすむ多民族国家である。
おまけに言語もその数だけ存在する。勿論一般的にはロシア語で生活している。例えば筆者がよく知っている朝鮮民族は、北朝鮮語や韓国語などを彼らの家庭などで使われているが、最近はほとんどロシア語しか使われない。

プーチンもロシア正教徒?!

また宗教は今やロシア正教が主だが、ソ連邦が崩壊した今、世界のあらゆる国から様々な宗教が静かに浸透しているし、多民族国家の帰結としてイスラム、仏教そしてユダヤ教までも存在する。
最もソ連時代は表向きは「宗教は自由」だったが、スターリンよって、そのあとのフルシチョフによって、徹底的に迫害された。
しかし不思議なことに、ソ連邦が崩壊したとたん、ロシア正教はたちまち復活した。今や元KGBの将校だった現大統領もロシア正教徒らしい。宗教を徹底的に弾圧したソ連時代とは一線を画し、ロ
シア正教会を保護してもいる。2007年のロシア正教会と在外ロシア正教会の和解を斡旋し、和解の聖体礼儀に出席もしてスピーチを行った。イスラームに対してはロシア正教会ほどに結び付きはな
く、ロシア国内でのイスラーム主義勢力の監視・活動制限、コーカサス地方では武装イスラーム主義勢力との対決姿勢を鮮明にしてもいるが、タタールスタンのカザン・クレムリンにおいて巨大な
モスクも再建したシャイミーエフのような穏健的な存在とは協力関係を築くなど、硬軟織り交ぜた対応がみられる。また、ユダヤ教も庇護しており、ベレル・ラザル首席ラビとは友好関係を築いて
いる。

地図から消され、世界から隠された旧ソ連の「閉鎖都市」

ソ連時代は閉鎖都市というのがあった。いや、今もあるらしい。
ロシア・ビヨンドによると、ソ連時代に創設された、閉鎖都市という、重要な戦略施設が隠され、厳重な警備で隔離されていた街は、現在でも残っている。特別な許可証がなければ、ここに立ち入
ることはできない。
閉鎖都市が最初にあらわれたのは1940年代の終わり。ヨシフ・スターリンの命令で、核兵器開発計画が始まり、ソ連国内の辺境の地に、極秘の都市がつくられていった。これらの街は地図にも載
ることはなかった。

ロシアに関する謎を読むのはとても興味深い。悲劇的なのは日本の敗戦後のシベリア抑留、チェルノブイリ原発事故なども。またウクライナを通ってヨーロッパに伸びるガスのパイプライン。時にはこのパイプラインのバルブを閉めるという暴挙もやってのける国だ。
まだまだおまけがあるがとても書ききれないほどだ。何しろ鉄のカーテンを西側との間に閉めていた。今回はこの辺で・・・。

◇現代時評《緊張高まる日露間》片山通夫

宗谷海峡図

なぜか日露間の波が高くなってきた。ちょっと紹介する。

*ロシア、米国が日本にミサイル配備すれば報復と警告3月12日、ロシア外務省は、米国が日本に地上配備型ミサイルを配備したら報復すると警告した。インタファクス通信が報じた。(モスクワ発ロイター)
*ロシア、「宗谷海峡や津軽海峡の閉鎖」に関する日本の外交評論家の主張に反応 ロシア議会下院(国家会議)国際委員会のドミトリー・ノヴィコフ第1副委員長は11日、ニューズウィーク日本版に9日に掲載された日本の外交評論家で元外交官の河東哲夫氏の「北方領土問題で『変節』したプーチンとの正しい交渉術」と題したコラムで、河東氏が日本はロシア政府に領土問題を解決する重要性を意識させるために「例えば宗谷海峡、津軽海峡(ロシア本土と北方四島間の主要な補給・物流ルート)をいつでも閉鎖できることを示す」べきだと主張したことについてコメントした。
ノヴィコフ氏は、河東氏の主張に基づくと、日本で所謂「北方領土」問題と呼ばれているテーマを再び悪化させたいという願望が日本の政治エリートに再び生まれたような印象を受けると述べた。 “◇現代時評《緊張高まる日露間》片山通夫” の続きを読む

現代時評《「止まらない暴走列車」と言われて・・・》山梨良平

【ロンドン時事】英紙タイムズ(電子版)は3日、今夏の東京五輪・パラリンピックについて「中止する時が来た」とするコラムを掲載した。筆者はリチャード・ロイド・パリー東京支局長で、「(新型コロナウイルス)感染を拡大させるイベントは日本だけでなく、世界へのリスクだ」と主張した。
そのうえで筆者は日本が「一旦決めたらその計画を止めることができない国だ」としてスポンサーや日本のマスコミが中止すのための意見を出すべきだと断じている。
それにしても「止まらない暴走列車」とはよく言ったものだ。この表現はまさに適格だ。一旦決めたら止めようがない官僚組織、政治家というわけである。今度の場合、リスクは日本だけではない。世界中がそのリスクを負うことになる。
暴走列車を止めることが出来るのは、スポンサーでしかない。例えば森前会長の「差別発言」に怒りを込めて「辞任すべき」と発言したのは、米、放送局だ。最大のスポンサーである。

日本のマスコミもスポンサーになっている。おそらく護送船団方式で、横並びの精神を大いに発揮しているのだと推測される。本来編集権と経営権を明確に分離独立させるべきなのに、護送船団はお互いに影響しあう関係になり下がった。NHKをはじめ、特に放送界がひどいと感じられる。

いずれにしても、「暴走列車」の表現は適格だが悲しい。

現代時評《記者会見》片山通夫

「菅義偉首相は26日、6府県を対象とする新型コロナウイルス対策の緊急事態宣言先行解除に際し、通例となっている記者会見を開かなかった。国民に説明を尽くしたとは言い難く、首相の長男らから高額接待を受けた山田真貴子内閣広報官に焦点が当たる事態を避けたいとの思惑がにじむ。与党からも「山田隠し」の意図を指摘する声が出た。」(時事通信)

記者会見は政権に就くものが国民にその政策なりを説明して政策を推し進めるための原動力を得るためには、欠かすことができないモノだ。辞書に見ると「記者会見(きしゃかいけん、英語:press conference、news conference)とは、一つの場所で人や団体が複数の記者に対して発表や説明を行い、質問の受け答え(インタビュー)をする会合である。」(ウイキペディア)とある。また広辞苑では「一定の場所に記者を集めて情報を提供したり質疑応答を受けたりすること。」とある。

各国の記者会見の様子が朝日新聞でリポートされているので少し紹介したい。

英国のジョンソン首相は、ロックダウン(都市封鎖)に踏み切る際など、頻繁に記者会見してきた。2月だけでも4回開いている。一般の人の質問2問と、記者の質問を5問程度受け付ける。ネットで中継され、テレビでも生中継。

ドイツのメルケル首相と各州の州首相が2~3週間ごとに対策を話し合って開く会見は、リーダーが様々な規制への協力を肉声で求め、市民の苦労をねぎらう機会になっている。2月10日の記者会見でメルケル氏は新規感染者が減ったことに触れ、「市民の行動に感謝したい。非常に厳しい措置が効果を発揮している」と。

NZのアーダーン首相は、全土でロックダウン(都市封鎖)を敷いた昨年3~4月にかけて、ほぼ連日、記者会見を開いた。2月14日も最大都市オークランドでの3日間のロックダウンを自ら発表。原因となったクラスター(感染者集団)はわずか3人だったが、感染力が強いとされる変異株による感染のため、「早く厳しく(対応に)動けば後悔しない」と理解を求めた。

かなり要約したがざっとこんな具合だ。
しかるにわが国の記者会見というのはとても記者会見とは言えない代物だ。まず会見は内閣の広報官がすべて仕切る。というのはおそらく前もってペーパーで質問内容を届けて、それに基づいた質問にしか首相は答えない。いや答える能力がないと思う。安倍前首相は国会の答弁でも「質問書にはない」と言い放った。
つまり突発的な質問には彼らは「答えることができない」ということだ。能力のない者が首相になると国民は不幸の極みである・

話は変わるが1972年6月。足掛け8年にも及ぶ佐藤首相が退任した。退任の記者会見で「新聞記者は出てください」と言ってテレビカメラに向かって(国民に向かって)直接話したというエピソードが残っている。また政治部の記者では追及が出きにくいとばかりに、社会部の猛者が会見に臨んだという話も記憶にある。

そういえば急先鋒の質問でなかなか当てられない東京新聞の望月記者が有名だ。菅幹事長(当時)が「あなたに答える必要はない」といら立つことがあった。彼女は政治部ではなく社会部らしい。そして「空気を読まない」と記者仲間からも批判があるようだ。

最後に「官邸はメディアの分断を進めていると感じます。政権に批判的なテレビ番組が終わり、キャスターやコメンテーターが次々変わっています。記者として、官邸や政権の扉をたたき続けなければと思います。やり方は人それぞれ。記者として、当たり前のことを当たり前に続けていきたいです」とは東京新聞の望月記者の言葉である。         神戸新聞NEXT より

現代時評《女性蔑視発言批判にみる市民意識の変化》井上脩身

私が入っている川柳同好クラブで最近、後任代表をめぐる混乱から、クラブ存続の是非にまで話が発展した。入会してまだ日が浅い会員たちが、十年一日のクラブ運営に疑問をいだきだしていたところ、コロナによる活動の制約と相まって、一気に不満が噴出したのだ。コロナ禍のなか、「先輩の決めたことに黙って従え」式のやり方に厳しい目が向けられるようになったのでは、と考えていたとき、東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長の女性蔑視発言がとび出した。森氏は翌日、記者会見をして謝罪した。従来ならこれで収まっただろう。ところがSNSを通じて批判が殺到、森氏は辞任に追い込まれた。私はオリンピックについても、商業主義にどっぷりはまった開催に対する人々の意識が変わりだした証左だと思った。組織委は17日、橋本聖子・五輪担当相を後任会長に選んだ。橋本氏は森氏の秘蔵っ子であり、人選の背後に政府の意向があったことはまぎれもない。政府もJOCも国民意識の変化に全く気付いていないようである。 “現代時評《女性蔑視発言批判にみる市民意識の変化》井上脩身” の続きを読む