ONCE UPON a TIME 外伝・写真特集” サトウキビ刈り #2”片山通夫
現代時評《北風と太陽》片山通夫
ベラルーシにロシア戦術核配備とNOTO加盟のフィンランド

この二つのニュースに接してイソップの「北風と太陽」を思い出した。「北風と太陽が、旅人の上着を脱がす勝負をする。 北風が強く吹けば吹くほど、旅人は上着を飛ばされまいと必死になる。次に太陽が照らすと、旅人は自ら上着を脱ぎだす」という有名な話だ。
ロシアのプーチン大統領は、同盟関係にある隣国・ベラルーシに戦術核兵器を配備することで合意したと明らかにした。ルカシェンコ大統領の要請を受けた形だとか。これが3月26日だったと記憶する。一方ロシアと1340キロメートルもの国境線を持つフィンランドは従来の中立政策を大幅に変更してNATOに加盟申請し4月4日に加盟を果たし31番目の加盟国となった。
まさにイソップの寓話そのものだと言える。 “現代時評《北風と太陽》片山通夫” の続きを読む
ONCE UPON a TIME 外伝・写真特集” サトウキビ刈り #1”片山通夫

キューバの特産品のひとつに砂糖がある。もう島中がサトウキビ畑。革命後、ソ連にとって「仇敵(仮想)アメリカののど元に突きつけることのできる匕首・キューバ」をとても大事にした。およそ肌の合わない、テンポのあわないキューバ人と良く付き合っているものだと感心する。そんなわけでソ連は国際価格より高い相場でキューバの砂糖を買い取っていた。そんなわけでボクが行った時はキューバは革命後10年で「砂糖増産1000万トン」運動真っ盛り。猫も杓子もサトウキビ刈りに出かけている。職域毎にチームを組んで、交代で。世界中から来た若者も大勢参加していた。
ONCE UPON a TIME 外伝 ”革命はマンボのリズムにのって”片山通夫

当時、ハバナではラジオ放送がとても盛んだった。車もホテルの部屋もラジオからニュース番組専門の放送が流れていた。それは「こちらはアメリカで最初に自由を手に入れたハバナ放送です」で始まる。そのアナウンスはとても誇らしげだった。ニュースはよくわからなかったが、合間に流れる音楽は決して堅苦しい音楽ではなくボクも知っている、所謂ラテンミュージックが主だった。ベサメムーチョ、キサスキサスキサス、グアンタラメラ、そして時には日本の歌なども何度か聞いた覚えがある。「キューバ革命はマンボのリズムに乗って行われた」とも言われるほどキューバ人は音楽好きだ。
ONCE UPON a TIME 外伝 ”おしゃれの準備”片山通夫

キューバに着いて、ほどなくしてボクはキューバの外務省へ出かけた。 居住登録をするために。変な話だがキューバ政府が指定したホテルにいるのにまるでボクが勝手に決めたホテルのような扱いだった。ボクの貧相な英語では間違っていたが、キューバでの身分証明書の発行手続きだった。ここで例の堀田氏の描写を思い出すことになる。
彼は「そうして女の子はオッパイが大きくて、お尻もまた立派で、部屋へ入って来るときには、まずオッパイから入って来て、出て行くときにはお尻がなかば永遠に残っている。……」と書いた。そのまんまのシーンが目の前で繰り広げられた。堀田氏の本に書かれなかったことがある。ボクはその外務省の係官が女性で彼女の髪が所謂カーラーでまかれていたことだ。ボクも決して生真面目な人間ではないがこれには驚いた。
つたない言葉で尋ねた。彼女はこともなげに「あなたのためではない。今日は私の彼と食事に行くのだから」とのたまった。そりゃそうだ。ボクとは初対面だ。しかしこれには感心した。つまり恋人のためには勤務中でもおしゃれの準備をするのだ。そういえば町でもそんな女性をよく見かけた。
ONCE UPON a TIME 外伝 ”剃刀が切れない、経済封鎖のせいだ!”片山通夫

しかしそうも言っておれない事態がボクには見えた。革命後10年。気を付けてみるとまだまだ落ち着かない状況だった。最初に経験したのは歯磨きや剃刀の不足だった。そんなもの何処にでもあると思っていたボクは浅はかだった。確かチェコ製の剃刀は見事にボクを「切られの与三」のように傷だらけにした。歯磨きは手に入らなかった。
半年という長期のキューバ滞在だったので日本大使館に挨拶に行った。その時歯磨きのことや剃刀のことが話題になった。大使館では時折メキシコへ出かけるので買ってきてあげようと言ってくれたので早速お願いした。当座の分として彼の手持ちを譲ってくれた。大使館の人って親切だった。同時にアメリカの経済封鎖を恨んだ。
現代時評《袴田事件と大江文学》井上脩身
3月14日付新聞の一面に、袴田事件の再審を認める決定が出されたことと、ノーベル賞作家、大江健三郎さんが死去したことを伝える記事が載った。私は袴田事件の現場と大江さんの生家付近をたずねたことがあるだけに、偶然とはいえ不思議な感慨にひたった。私が知る範囲では、大江さんが袴田事件について語ったことはない。だが袴田事件の本質は、捜査機関において大江さんが言う「戦後民主主義」の無理解もしくは否定にあった、と私は考える。 “現代時評《袴田事件と大江文学》井上脩身” の続きを読む
現代時評《プーチン追い落としはあるのか》片山通夫 (文中敬称略)
最近のロシアにまつわる国際ニュースを読んでいて、明らかに流れが変わってきたような報道に接することが多くなってきた。プーチンを排斥するクーデターなど、プーチン後のロシアのありようへの言及だ。世論は心情的にウクライナに味方して、ロシアの指導者であるプーチンを排斥すればことは治まるという単純で希望的な見方をしているようにも見える。果たしてその見方は正しいのか今のところはなんとも言えないと筆者は考える。たとえば仮に世間でニュースになっているワグネルの創設者・ エフゲニー・プリゴジンがプーチン追い落としの先鋒になりそうだとか、いやロシア正規軍、はたまたチェチェンの某がクーデターを・・・と枚挙にいとまがない。 “現代時評《プーチン追い落としはあるのか》片山通夫 (文中敬称略)” の続きを読む
現代時評《煽る日米、怒る北朝鮮》山梨良平

北朝鮮の朝鮮中央通信は2月20日、西部に展開する朝鮮人民軍部隊が軍事デモンストレーションとして、口径600ミリの超大型放射砲(多連装ロケット砲)2発を発射したと報じた。我が国は当然のことながら北朝鮮に対して「北京の大使館を通じて厳重に抗議した。」 と発表した。
時事通信は、《北朝鮮が短距離弾道ミサイル2発 与正氏「太平洋」への発射警告―国連安保理、21日緊急会合》と続いて報じた。
つまり2日続けて大陸弾道弾と多連装ロケット砲を発射したというわけである。北朝鮮の真意はわからないが《「前例のない 強力な対応に直面する」北朝鮮が警告 来月予定の米韓合同軍事演習 」》と反発していた。一方の韓米両軍は、来月中旬に合同軍事演習「フリーダムシールド」を11日間にわたり行う予定で、今回は5年ぶりに大規模な野外機動訓練を再開する予定だという。この演習は北朝鮮の目と鼻の先で行われるらしい。 “現代時評《煽る日米、怒る北朝鮮》山梨良平” の続きを読む