ONCE UPON A TIME《屋久島の詩》片山通夫
現代時評《「止まらない暴走列車」と言われて・・・》山梨良平
【ロンドン時事】英紙タイムズ(電子版)は3日、今夏の東京五輪・パラリンピックについて「中止する時が来た」とするコラムを掲載した。筆者はリチャード・ロイド・パリー東京支局長で、「(新型コロナウイルス)感染を拡大させるイベントは日本だけでなく、世界へのリスクだ」と主張した。
そのうえで筆者は日本が「一旦決めたらその計画を止めることができない国だ」としてスポンサーや日本のマスコミが中止すのための意見を出すべきだと断じている。
それにしても「止まらない暴走列車」とはよく言ったものだ。この表現はまさに適格だ。一旦決めたら止めようがない官僚組織、政治家というわけである。今度の場合、リスクは日本だけではない。世界中がそのリスクを負うことになる。
暴走列車を止めることが出来るのは、スポンサーでしかない。例えば森前会長の「差別発言」に怒りを込めて「辞任すべき」と発言したのは、米、放送局だ。最大のスポンサーである。
日本のマスコミもスポンサーになっている。おそらく護送船団方式で、横並びの精神を大いに発揮しているのだと推測される。本来編集権と経営権を明確に分離独立させるべきなのに、護送船団はお互いに影響しあう関係になり下がった。NHKをはじめ、特に放送界がひどいと感じられる。
いずれにしても、「暴走列車」の表現は適格だが悲しい。
ONCE UPON A TIME《冬の風景・ポロトコタン(白老)》片山通夫
ONCE UPON A TIME《冬の風景・函館》片山通夫
Lapiz2021春号は順次発行しています。
現代時評《記者会見》片山通夫
「菅義偉首相は26日、6府県を対象とする新型コロナウイルス対策の緊急事態宣言先行解除に際し、通例となっている記者会見を開かなかった。国民に説明を尽くしたとは言い難く、首相の長男らから高額接待を受けた山田真貴子内閣広報官に焦点が当たる事態を避けたいとの思惑がにじむ。与党からも「山田隠し」の意図を指摘する声が出た。」(時事通信)
記者会見は政権に就くものが国民にその政策なりを説明して政策を推し進めるための原動力を得るためには、欠かすことができないモノだ。辞書に見ると「記者会見(きしゃかいけん、英語:press conference、news conference)とは、一つの場所で人や団体が複数の記者に対して発表や説明を行い、質問の受け答え(インタビュー)をする会合である。」(ウイキペディア)とある。また広辞苑では「一定の場所に記者を集めて情報を提供したり質疑応答を受けたりすること。」とある。
各国の記者会見の様子が朝日新聞でリポートされているので少し紹介したい。
英国のジョンソン首相は、ロックダウン(都市封鎖)に踏み切る際など、頻繁に記者会見してきた。2月だけでも4回開いている。一般の人の質問2問と、記者の質問を5問程度受け付ける。ネットで中継され、テレビでも生中継。
ドイツのメルケル首相と各州の州首相が2~3週間ごとに対策を話し合って開く会見は、リーダーが様々な規制への協力を肉声で求め、市民の苦労をねぎらう機会になっている。2月10日の記者会見でメルケル氏は新規感染者が減ったことに触れ、「市民の行動に感謝したい。非常に厳しい措置が効果を発揮している」と。
NZのアーダーン首相は、全土でロックダウン(都市封鎖)を敷いた昨年3~4月にかけて、ほぼ連日、記者会見を開いた。2月14日も最大都市オークランドでの3日間のロックダウンを自ら発表。原因となったクラスター(感染者集団)はわずか3人だったが、感染力が強いとされる変異株による感染のため、「早く厳しく(対応に)動けば後悔しない」と理解を求めた。
かなり要約したがざっとこんな具合だ。
しかるにわが国の記者会見というのはとても記者会見とは言えない代物だ。まず会見は内閣の広報官がすべて仕切る。というのはおそらく前もってペーパーで質問内容を届けて、それに基づいた質問にしか首相は答えない。いや答える能力がないと思う。安倍前首相は国会の答弁でも「質問書にはない」と言い放った。
つまり突発的な質問には彼らは「答えることができない」ということだ。能力のない者が首相になると国民は不幸の極みである・
話は変わるが1972年6月。足掛け8年にも及ぶ佐藤首相が退任した。退任の記者会見で「新聞記者は出てください」と言ってテレビカメラに向かって(国民に向かって)直接話したというエピソードが残っている。また政治部の記者では追及が出きにくいとばかりに、社会部の猛者が会見に臨んだという話も記憶にある。
そういえば急先鋒の質問でなかなか当てられない東京新聞の望月記者が有名だ。菅幹事長(当時)が「あなたに答える必要はない」といら立つことがあった。彼女は政治部ではなく社会部らしい。そして「空気を読まない」と記者仲間からも批判があるようだ。
最後に「官邸はメディアの分断を進めていると感じます。政権に批判的なテレビ番組が終わり、キャスターやコメンテーターが次々変わっています。記者として、官邸や政権の扉をたたき続けなければと思います。やり方は人それぞれ。記者として、当たり前のことを当たり前に続けていきたいです」とは東京新聞の望月記者の言葉である。 神戸新聞NEXT より
ONCE UPON A TIME《雛祭り》片山通夫
いよいよ春がやってきた。今年もコロナの春となった。各地のひな祭りもマスクをした「コロナ雛」が登場するという悲しさ。雛人形は衣装もだが、顔が命だと思うのだが、時節柄仕方がないのかもしれない。写真は滋賀県日野町で
滋賀県日野町HPより
中野城(日野城)城下町として蒲生氏によって築かれた日野の中心部は、蒲生氏郷公の代まで城下町として栄え、その後、町民は日野椀や売薬による行商に活路を見いだし、商人の町として栄えていきました。昔ながらの町並みが今も残り、どこか懐かしさを感じる日野の町。その通りにある家々に、江戸時代から現代に至るまでのお雛様や創作人形などが飾られます。日野独特の風景でもある桟敷窓が並ぶそんな町なかを、華やかでほほえましい雛人形と出会いながら、ごゆっくり散策ください。