現代時評《杉田水脈に代表される怪物たち》山梨良平

11月9日の参院倫理選挙特別委員会で、月刊誌への寄稿でLGBTなどの性的少数者について「生産性がない」と記した杉田水脈総務政務官にれいわ新選組の天畠大輔参議院議員が質問した。天畠大輔議員も指摘しているが、一連の杉田水脈総務政務官の発言には唖然とする。天畠大輔議員も「単に障がい者の代表として抗議しているのではない。杉田氏や「やまゆり園事件」の犯人で植松死刑囚らの言動は、生身の人間の価値を手前勝手な生産性という尺度で測ろうという考え方に根ざしたものだ。こうした考え方に対して、一人の人間として抗議している。」と述べる。

幸いにして筆者は杉田氏と同様の考えは持ち合わせていない。またあの阪神大震災や東日本大震災の時に「商店への略奪」や「救援物資の奪い合い」などが見られなかったと外国の報道に感嘆する世界の人々の驚きの対象も日本人なら、杉田氏のような、また昨今いわれている「壺にはまり国を売るような政治家」も日本人だとすればいったい日本人というのは何者なのかと頭を抱えるのは筆者だけではあるまい。

杉田氏に国会の場で質問をした天畠大輔議員は毎日新聞によると「ナチスは、ヒトラーという悪のカリスマ一人ではなく、彼の前で自分の有用性を証明しようと躍起になった普通の人々に支えられた。彼らは、障がい者や同性愛者を社会から葬り去ることが国のため、総統の意向だとそんたくし、行動を起こした」と杉田氏やその意見に同調する人々に、(戦前の)過去の過ちを繰り返しているように思えるようだ。また、国会で杉田氏は、《アイヌ民族や在日コリアンの女性は「存在だけで日本国の恥さらしです」とブログしたことを問われ「この時私はまだ国会議員ではなく一般人でございました」》だと。

いったい何なんだ?議員以前に人間だろうよ。

私たちは「杉田氏に代表される現代の怪物たち」に負けて戦前の政治や社会に戻してはいけない。