monolog《俺のレンズにゃ味がある 001》片山通夫

NikonS3 1958年に発売

レンズとはここではカメラのレンズのことを言う。古いカメラはボクが手にするものは、概して使い物にならない。蛇腹が付いているカメラはたいていその蛇腹の折り目に隙間が空いていて光線漏れを起こす。蛇腹が付いていないカメラはフィルムを出し入れする裏ブタから光線漏れが。おまけにヘリコイドが固くて動かない場合もありピントを合わせるのに苦労する。そんなこんなで古いカメラは選ぶのがたいへんむずかしい。
おまけにレンズもガラスが曇っていたり、カビがあったりしていずれにしても「撮ってみなければわからない」という難しさがある。おまけに世はデジタルカメラ全盛で、運よく程度のいいカメラとレンズを手にしたとしても、フィルムを手に入れるのに苦労する。現像、プリントも・・・。
そこでボクは考えた。フィルムカメラは手間がかかるので、カメラはデジタルで済まそうと。大いなる妥協である。そしてレンズに凝ることにした。新しいタイプのレンズに比べて時にはコストは高い場合も多い。 現在出ているレンズより、色の彩度やコントラストがマイルド、つまりまろやか、いや甘くなる傾向がある。 逆光で撮れば得てしてフレアが出る。それも味。色の再現もコーティングの具合か忠実ではない。だからボクはモノクロームで撮る。

Leica

ボクはカメラはLeicaを使っている。なぜかレンジファインダーのカメラが好きだ。よほどのことがない限り望遠レンズは使わない。どうしてもと言うときはNikonの一眼レフを使うが、これはめったに使わない。Nikkorレンズは「よく写る」が味がないように思えてならない。それはピントが鋭すぎるからだと思うのはボクだけかもしれない。おなじNikkorでも大昔のNikonS3と言うカメラについてたレンズには味があったように思えた。あの頃はモノクロームしか撮らなかったからかもしれない。(続く)