ここ数年、特に安倍政権の間、官界はもとより政界に吹き荒れていた「安倍旋風」が同氏の死亡以降、徐々にではあるが風向きが変わってきたように思える。言ってみれば「吹き返し」である。ここでいう「吹き返し」は無論安倍氏の死亡に伴う風向きの変化だ。
特徴的なのは東京地検特捜部が東京五輪組織委清算法人をはじめ、高橋治之元理事の自宅、電通、AOKIホールディングス前会長の青木拡憲)氏(83)の自宅などに家宅捜索を始めた事があげられる。素直に考えればなぜこのタイミングで?と思えるのだが、これも「吹き返し」の一つなのだろう。
一方、政界は「過去を消すことに躍起の政治家」や「開き直っているとしか思えない政治家」であふれてきた。前者の有名人(?)は元防衛相の福井県を地盤とする稲田朋美氏である。実は稲田議員は‘10年4月、統一教会の関連団体『世界平和女性連合』のイベント『春のつどい』に参加。その件について公式サイトの『活動報告』ページに掲載していたにもかかわらず、いつの間にか、その記述がなくなっていることが指摘されていた。
稲田朋美氏事務所に旧統一教会の関連団体イベントに参加の過去を問い合わせると「不明」を連発。
「12年前のことだから経緯も、どんな団体と認識していたのかもわからない」と。なお、稲田議員は‘06年4月に同じく世界平和女性連合の春のつどいに、そして‘09年11月にも同じく旧統一教会の関連団体である世界平和連合のイベントに参加している。「どんな団体かわからない」とは酷い話だ。
(女性自身 https://jisin.jp/domestic/2120203/?rf=2)
一方、旧統一教会の改称に関与を疑われている下村博文氏は今のところ関与を全否定している。しかし関連団体との“親密交流”との報道では説明求める声が上がっているが今なお逃げ回っている。あの統一教会の改称問題は18年間も棚上げされていた案件。誰もが驚いたはずだ。それを全否定とは?
良識ある大臣なら、政治家なら、省内で再点検するはずだ。
また同じく、創価学会の全面的な指示を受けてきた公明党の山口代表も宗教と政治に関してはだんまりを決め込んでいるようだ。
いずれにしても自民党や公明党の政治家は戦々恐々としているのではないか。つまりは安倍氏になびいていた輩が「吹き返し」で右往左往状態だということなのだ。
酷いのになると《「日本維新の会 藤田幹事長『この団体(統一教会)の創始者が誰かは知らなかった』」基本中の基本を知らぬとは政治家の資格がないと宣言しているようなもんだ。》(立川談四楼Twitter)
「知らなかった」、「儀礼的な付き合い」、「政治家は断れない」、「昔のことで記憶にない」、「あったかもしれない・・・」。
こんな理由がまかり通る政界なのか?驚くべき無知と無節操、それに何よりも無責任極まりない。
この安倍殺害事件は思わぬ方向に動き出した感がある。まさに「吹き返し」である。