現代時評《ウクライナ侵攻に乗じる人々》片山通夫

ロシアがウクライナに侵攻してから3か月が経つ。ウクライナの国土は銃弾に破壊され尽くしている。避難した人々の数は何百万人という。かつて「ソ連の穀倉地帯」と呼ばれていたウクライナの小麦はロシア兵に強奪されてそれを積み込んだ船は地中海をさまよい買い手を探している。つい最近もエジプトに打診したがエジプトは断ったというニュースが流れていた。まるで「強盗殺人犯」のロシア兵。それらの頭目は言うまでもなく、安倍晋三元首相が盟友として仲の良かったウラジミール・プーチンだ。最も安倍はゼレンスキー・ウクライナ大統領ど「3回会った」と恥ずかしくも自らのSNSに写真入りで掲載したようだ。早速の変身。
さすがの安倍も今現在ウクライナの国民や国土を蹂躙している頭目の味方はやりにくいだろう。
知床の観光船から遺体が流れついたと思われる国後に関して、今に「自分がロシアと仲良かったからロシアは協力的」だと言いかねない男だが・・・。

昨今ロシアの侵攻に意外な実に驚くべき反応が国内で起こっている。それは「防衛力の強化」というべき議論だ。あまつさえロシアのウクライナ侵攻に乗じて「中国の台湾侵攻」を声高に叫ぶ勢力が台頭してきた。ついこの前には北朝鮮のミサイルや核が脅威だとしてきた人々が「中国の台湾進攻、ロシアの北海道侵攻」とばかりに防衛力の強化を訴えていて、やれ憲法改正だ、やれ自衛隊を憲法に記載して、9条の破棄、緊急事態条項で「国民の権利の制限」と姦しい。驚くべきことに安倍は「核の共有」とまで言い出した。本気で「核の共有」が抑止力になると思ってるのだろうか。
このように国民を巻き込んで「敵が来る」と国民にアピールして戦争に突入するという手口は過去にナチスが国民を操った実績がある。

それにつけてもウクライナのゼレンスキー大統領のように肝の据わった宰相がわが国に存在するのだろうか?