現代時評《気象庁の予算を削って先進国?》片山通夫

トンガで大規模噴火発生した。詳細は以下に。
https://tenki.jp/forecaster/deskpart/2022/01/15/15716.html
この噴火と15ー16日にわが国の太平洋沿岸で発生した津波はおそらく密接に関係しているだろうことは、容易に想像がつく。ところが気象庁は「噴火と津波のメカニズムがわからない」と記者会見で発表した。つまり通常の地震と津波の関連とは違うということだった。
「16日午前2時から会見し、各地で観測された潮位の変化について「通常の津波とは異なる」と説明。
気象庁・宮岡一樹地震情報企画官:
「今回の潮位変化は地震に伴う、通常ののとは異なると考えている。た
だし現時点でこれが津波かどうかは分かっていない」
https://www.youtube.com/watch?v=13XFSaK87hs

まずトンガの方々にも津波に襲われて漁船を流された四国など被害にあわれた方々にお見舞いしたい。
筆者が常々感じていることがある。気象庁のホームページに「一般広告」を掲載していることだ。調べてみた。
うまい具合に2021年7月28日の東京新聞に《台風接近情報と商品宣伝の「同居」に違和感も…気象庁がHPの企業広告掲載を再開》というの記事。
https://www.tokyo-np.co.jp/article_photo/list?article_id=119932&pid=409712

今回の津波のメカニズムがわからないということと直接関係はないとは思うのだが、地震や地震予知、台風、豪雨、洪水、高波、竜巻、気圧の変化(今回のトンガの噴火で日本の気圧に変化が!)などなど自然相手の調査・記録などはまだまだわからないことが多いのではないかと思う。そのうえこれらは陣営にかかわる重大案件だ。
しかし、一般に、例えば台風接近のように、起こってから、起こる危険の直前にならないと天気予報など気象情報は手にしない。
先に述べた東京新聞の記事だが、気象庁のホームページに直接関係のない商品のPRなどが並行して掲載されると何となく違和感を覚える。

◎コーヒー予算
気象解説者の森田氏が下記のように訴えている。
なんでも気象庁の予算は「54年間で3分の1に激減」したという。

森田氏→
《私は気象解説者としての仕事を50年ほどしているが、50年前の当時から気象庁の予算はコーヒー予算と言われていた。昭和30年代(人口1億人の頃)、喫茶店のコーヒーが50円の時に予算は約50億円、一人当たりに換算するとコーヒー1杯の値段と同じというのが言葉の由来だ。1966年(昭和41)の予算は約88億円で、やはりコーヒー並み。国家予算は約4兆3000億円なので、気象庁予算はほぼ0.2%だった。
そして今年度は、595億円。国民一人当たりにすると約500円だ。相変わらずコーヒー予算のままで、昔より圧倒的に作業量は増えている。さらに驚くのは、国家予算、約100兆円との比率である。なんと0.06%で、1966年の0.2%から比べると3分の1の激減である。》

およそ気象庁の研究や情報は直接お金にはならない。台風情報が当たったから1千万円というわけにはならないのだ。日頃の地道な観測、研究からはじき出される結果が今日の台風、豪雨、地震など自然災害の判断に重大な影響を与える。それが分からない中央官僚や政治家は一体何を学んできたのだろうか。
先進国だというセリフがちゃんちゃらおかしい。

森田氏の訴えをじっくり読んでもらいたいものだ。
「気象庁が決めた「ウグイスやセミの観測中止」に、お天気の森田さんが心配すること。
https://president.jp/articles/-/40927?page=1