現代時評plus《韓国叩き》一之瀬明

明治時代からだと思うが「韓国叩き」が、我が国では常態化している。その最たるものが、あの関東大震災直後の「朝鮮人虐殺事件」だった。一体なぜ朝鮮人を嫌うのだろうか?同じ東洋人であり隣国であり、江戸幕府時代、1607年から1811年までの間に12回日本を訪れた朝鮮通信使の折には、文人墨客だけでなく学者などもこぞって彼らを歓待したと言われてる。無論幕府の鎖国政策のよって極端に外国との交流を制限されていたためであることも事実だ。もっと昔のことを思えば、中国から朝鮮半島を経由して文化や知識が伝えられた。また製鉄は、弥生時代から始まり、たたら製鉄が千年以上も受け継がれてきた。これも朝鮮半島からだった。

このような史実を否定する言論も我が国には存在する。思い余ってかどうかはともかく、平成天皇は自身の誕生日の談話(平成13年12月18日)で「韓国から移住した人々や,招へいされた人々によって,様々な文化や技術が伝えられました。宮内庁楽部の楽師の中には,当時の移住者の子孫で,代々楽師を務め,今も折々に雅楽を演奏している人があります。こうした文化や技術が,日本の人々の熱意と韓国の人々の友好的態度によって日本にもたらされたことは,幸いなことだったと思います。日本のその後の発展に,大きく寄与したことと思っています。私自身としては,桓武天皇の生母が百済の武寧王の子孫であると,続日本紀に記されていることに,韓国とのゆかりを感じています。武寧王は日本との関係が深く,この時以来,日本に五経博士が代々招へいされるようになりました。また,武寧王の子,聖明王は,日本に仏教を伝えたことで知られております」と朝鮮とのゆかりを述べられた。

ネット右翼の人々にとって韓国叩きの格好のネタはほかでもない彼らが「崇拝」していたと思われる安倍晋三氏は「統一教会の広告塔」であったし、その広告塔は総理大臣だった安部氏でもあったがために暗殺されたが、ネット右翼をはじめとする「韓国叩き」をする人々はこれに沈黙を続けている。
皇室と言い、安倍・統一教会広告塔は強者に対しては強硬には出ない。

私たちは知っている。彼らばインターネットのSNS上で、しかも匿名を良いことにして好き放題に「韓国叩き」をしていることを。いい加減に目を覚まして史実を認めるべきである。

ただ最近はTBSの「報道特集」に見られるように放送がきっかけで政治家がそれに対応するということもあり、テレビや新聞など大手マスコミは「韓国叩き」をはじめとするヘイトに対する問題にもっと取り組むべきである。