現代時評《露払い》一之瀬明

露払いと言う言葉がある。一般的には、相撲で横綱の土俵入りのとき、先導として土俵に上がる力士を指したり、また何事かを最初に行う行為のことも指す。
眼を我が国の政治に向けると、失礼ながら石破首相の役割はこの露払いの役割ではないかと筆者は思う。裏金議員に対する対応はおそらく石破首相の考えとはかけ離れた対応を自民党内や旧統一教会に対する「遠慮」もしくは「選挙時の拘束」または「圧力」があって、現状のように中途半端な形になったと思うがどうだろう。また「安倍政治」を引きずるような場面も見受けられる。そう感じられる点は「旧統一教会解散問題」に触れない点だ。この宗教団体の解散問題が一向に報じられないのが腑に落ちない。きっと議論が停滞したままだろうと邪推する。

自民党の面々は無論、国民も一時期、石破氏に期待した。時折「超右翼的」は発言もある同氏だが、実際に首相として直面すればそうも言ってられないであろうことは容易に理解できる。例えば米軍基地問題も、自衛隊をアメリカ国内に駐屯させば・・・などと行ってみたりしたこともある。筆者はその考えはまったく盲点だったので、驚いたし面白いと感じた。
しかし・・・。前回のトランプ氏には安部首相がいのいちばんに駆けつけた。今回はどうもそうではない。石破首相はトランプ氏にあまり覚えがよくないようだ。その証拠に安倍氏の夫人には早々に会っている。

石破氏の後、誰が首相になるのかは全く不明だ。この夏の参議院選の結果待ちだということだろう。参議院選で自民党が惨敗すれば石破氏の役割は「露払い」で終わる。それは自民党の総裁の後任と言うより、日本の政治の行く末の為の「露払い」であるべきだ。