fiction《アマテラスの誤算016》片山通夫

アマテラスの行幸

【609studio】アマテラスはやはり偉大だが、その姿を直接拝むことは出来ないのだ。つまり、字のごとく「神格化」された神様である。神無月に生まれた筆者にとってはなおさら遠い、尊い神様である。遷宮に関して「贅沢な神様」だと書いたが、きっと周りの人間がそうしているだけなのだと思う。
アマテラスは太陽神であり、あまたおられる神々の中心におられる。もうそれだけで尊い神様だと思う。

高天原から九州、出雲、そして東征でヤマトに治まった神武天皇、そのあとを襲って天下ってこられたアマテラスは一体何だったのだろう。なぜそんなに遠回りして瑞穂の国を目指されたのだろう。
初代天皇である神武天皇は無論、高天原でもスサノオはなぜあんなに大暴れしなくてはならなかったのか。なぞは深まるばかりである。国つ神は皆おとなしい。天津神の申されるままだ。それもまた不思議な話だ。それほど高天原やアマテラスは尊い存在なのか。

不定期・続く