編集長が行く《東京・江東地区 下》文、写真 井上脩身

今はスカイツリーのお膝元

『東京大空襲』の表紙

【LAPIZ ONLINE】1月上旬、わたしは早乙女さんの『東京大空襲ものがたり』と『東京大空襲』を携え、本稿に登場する現場をたずねた。
地下鉄浅草駅を降り、さいしょに言問橋に向かい、次に焼け残り電柱の現場をたずねた。本稿の趣旨に合わせ、まず電柱のことを書いておきたい。
焼け残った電柱は浅草駅南西約1キロの、幅5メートルほどの通りの角にポツンと立っている。何かの工事の作業員4、5人が通りかかったが、この電柱に目もくれない。写真を撮っていると、ベビーカーを押す女性がけげんそうな顔をして通りすぎた。電柱を実際に目にして気づいたことだが、底部は高さ50センチ、幅20センチの穴状になっており、下部は空洞になっているとおもわれた。おそらく焼夷弾が直接当たって燃えた痕跡であろう。B29が超低空飛行していた証拠といえるのかもしれない。 “編集長が行く《東京・江東地区 下》文、写真 井上脩身” の続きを読む