フィクション《アマテラスの誤算008》片山通夫

お帰り

須賀神社 出雲

出雲にお集まりになった神様たちはそれぞれの国へお帰りになるのであるが、それぞれの国ではどのようにお迎えされるのかは定かではない。ただ神在月の間、神様たちはどのような酒を召し上がっていたのか少し興味があるので、今風にインターネットで調べてみた。再びいうが、出雲は日本酒発祥の地である。スサノオがヤマタノオロチを退治するのにも、酒が活躍する。かなり度の強い酒だったようだ。つまり蒸留酒に近い香りがする。そうでないと、あの大蛇は酔っぱらわない。酒の名は「八塩折(やしおり)の酒」と呼ばれている。何度も何度も水をまぜないで醸した、かなり濃厚な酒だった。この点からも出雲は高度な技術を持っていた。「王国」と呼ばれる所以である。国譲りをはじめとする出雲にまつわる話は多い。出雲と当時の都・飛鳥や奈良とは官道(今で言う国道)で結ばれていたと出雲風土記に書かれている。明日香や奈良の中央政府は出雲王国を無視するわけにも行かず、常に監視の対象だったと考える方が理に適う。

参考

*須我神社 :簸の川上に於いて八岐遠呂智(やまたのおろち)を退治した須佐之男命(すさのおのみこと)は、稲田姫と共にこの須賀の地に至り「吾が御心清々し」とおっしやつて宮造りをなさった。そのとき美しい雲の立ち昇るのを見て、

八雲立つ 出雲八重垣 つまごみに 八重垣つくる その八重垣を

と歌い、日本で始めての宮殿を作り、鎮まりました。これが古事記・日本書紀に記載されている「須賀宮(すがのみや)」であり、日本初之宮(にほんはつのみや)であります。 三十一文字の歌も日本で一番古い歌であり、この地が「和歌発祥の社」と呼ばれる由縁でもあります。また、この歌の中の「出雲」が出雲の国名の起元であり、「八雲立つ」は「出雲」の枕詞であります。(須我神社HPより)https://suga-jinja.or.jp/about

*日本最古の酒造りの地は佐香神社(さかじんじゃ・松尾神社)。
主祭神クスノカミを祀る。1300年前、奈良時代に編纂された出雲国風土記に「この地に神々が集まって酒造りを行い、180日にわたり酒宴を開いた」という記述が残り、日本酒発祥の地と伝えられている。
https://www.toyonoaki.com/kurabito/933/

沖縄の泡盛:タイ米を醸造してその後蒸留する製法が泡盛。強い酒である。
ヤマタノオロチはこれを飲んだ?いや、記録(神話)にはない。
https://okinawa-awamori.or.jp/awamori/process/simple/

不定期・続く