編集長が行く《特攻のまち、知覧 02》 文・写真 井上脩身

鳥濱トメしのぶ知覧茶屋

 トメの味をしのぶ知覧茶屋

【LapizOnline】知覧をたずねた。特攻隊についての遺品や資料の大半は知覧特攻平和会館で保管、展示されている。
同会館の玄関を入ると、まず目に入るのが一式戦闘機「隼」の機体だ。私は戦争が目的(当然のことだが)である戦闘機を見るのは好きでない。しかし卓庚鉉が特攻出撃のため搭乗したのは隼だ。目をこらした。機体の銅には大きく日の丸がえがかれている。操縦席は地上から2・5メートルくらいの高さにある。もし女学生が出撃を見送りに来ていたら、その中にトメの娘がいないか、目を走らせたであろう。操縦かんをにぎったとき、アリランを口ずさんだだろうか。わたしはグレーの機体を見ながら、卓庚鉉に思いをめぐらしたのであった。 “編集長が行く《特攻のまち、知覧 02》 文・写真 井上脩身” の続きを読む