Webサハリン物語《episode#11 サハリンの朝鮮人#02》片山通夫

板門店

【609studio】サハリンでも残留朝鮮人はソ連当局を相手に「祖国へ返せ」とデモを仕掛ける人もいた。筆者がインタビューした女性も息子夫婦とその子供を北朝鮮に送られてしまったと嘆く。息子が堅くなに「祖国韓国へ返せ」と当局に訴え出たため、業を煮やした当局は「そんなに帰りたいのなら」と船に乗り込ませた。彼らが乗った船は北朝鮮へ向かう船だったという。筆者が会った女性は「もう殺されていますよ」と言葉少なに話すのみだった。
韓国はソ連では「南朝鮮」で朝鮮民主主義人民共和国の南部という認識でしかなかった。
勿論件の女性は何度も連絡を取ろうとしたが、住所もわからないのでは仕方がなかった。
ついでに言うと、サハリンの残留朝鮮人で国籍をロシア(ソ連国籍)に変更すれば、北朝鮮へはほとんど自由に行くことができる。観光旅行で北緯38度線・板門店の北側までも行くことができるそうだ。
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