Webサハリン物語《episode#8 ソ連の軍政時代と新聞》片山通夫

戦後樺太で発行された「新生命」紙

【609studio】樺太全土を手中にしたソ連軍は当然のことながら「軍政」を敷いた。と言っても樺太ではまだ30万人ほどの日本人と一説には6万人ほどの朝鮮人が住んでいる。彼らにソ連の何たるかや軍政で世の中が日本時代とどのように変わるかを知らしめなければならない。また勝手に漁船などで北海道へ帰ることのないようにさせなければならない。そこで当時あった「樺太新聞」という日本語新聞が役に立った。占領した側は日本語がわからず、軍政の方針など社会システムの説明にこの樺太新聞を接収して利用した。なお樺太新聞の印刷機や活字がソ連に接収されて利用されたという話はボクは確認はできていない。ただ新生活と言う日本語新聞が、樺太や千島と言う旧日本領でソ連の日本人向け新聞として発行された。この新聞のコピーはボクは稚内市立図書館で確認している。

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