現代時評《上げ底先進国》井上脩身

~競争力低下と小選挙区制~

【609studio】衆議院に小選挙区制が導入されて30年がたった。世襲議員が増え、政治の劣化が指摘されるなか、スイスの国際経営開発研究所(IMD)が2024年版「世界競争力ランキング」を発表、日本は38位と低迷した。競争力の衰えは円相場にも影響し、1ドルが150円~160円と円安が続いている。小選挙区制が導入された1994年ころ、IMD競争力が5位以内、円相場が94円(1995年平均)であったことを思うと、経済力の急激な低下は目を覆うばかりである。政府はG7国家にふさわしい外見を装うために、借金をかさねてきた。その総額は1297兆円とCDPの2倍を超える。これを菓子折りにたとえるなら、外見は30個の饅頭が詰まっているようにみせかけ、実は20個しか入っていない上げ底経済といえるだろう。わが国は世襲政治家らによる″上げ底先進国″なのである。 “現代時評《上げ底先進国》井上脩身” の続きを読む