北国街道・木之本にて《江北図書館》片山通夫

【LapizOnline】図書館は知識の源泉と言われ日本はもとより世界中で図書館運動ともいうべき運動が開かれている。図書館は地域住民の希望に沿った書籍の収集・収納が行われ、毎日の新聞や毎月の雑誌の閲覧なども活発に行われている。また読書クラブ的なクラブ活動も地域や時代によっては盛んに行われ、著名な書籍の著者や出版社が参加するところも結構存在する。特にギャラリーを持たない町では、絵画展や書籍の挿絵展また絵本の読み聞かせなど活動的な図書館も多く、図書館のない辺境の地には巡回図書館もあり、地域住民の知的欲求に応えて居る。ここ木之本町では、江北図書館という名の図書館がそれであろう。
江北図書館は、伊香郡余呉村(現長浜市余呉町)出身の弁護士・杉野文彌が、1902年(明治35年}に設立した杉野文庫を前身に、1906年(明治39年)に誕生した私設図書館である。当初は余呉町にあったらしいがより多くの人々に書籍に接してほしいと木之本に移転した。
それから、約120年、町の人たちに支えられ、滋賀県で最も古い現存する図書館として活動を続けている。

筆者が思うには、残念ながら我が国の政府・行政は文化的資産に関して予算を割くと言う努力が足りない。ここ江北図書館も私設であり、素人の筆者が見ても乏しい資金で運営していると感じられる。2階など重い書籍を山と積み上げてあるのを見ていると、地震が来たらどうするのだろうかと心配になる。

今や情報発信の方法は様々である。Webサイトは無論のこと、SNSなどのツールも山とある。資金集めや他の同様な図書館との交流、意見交換なども活発にできよう。珠玉のような図書館の今後に期待したい。

参考:江北図書館 会館100周年記念誌より
http://kohokutoshokan.com/