現代時評《井の中の蛙》片山通夫

【609studio】少し前(24/5/3)に「国境なき記者団(本部パリ)」が報道自由度のランキングを発表した。対象の国・地域180カ国のうち日本は昨年から二つ順位を下げて70位、先進7カ国(G7)で最下位だった。

また順位は2016年時点(安倍晋三内閣)では憲法裁判所の権限を大幅に制限する法律を作り、公共放送や通信社を国有化し幹部人事を掌握する報道機関の独立性を制限する法案を成立させ、公共放送のトップも交代させたランキング47位のポーランド、裁判官の退職年齢を早めたりメディア規制を次々に行った67位のハンガリー、中国共産党に批判的な書籍の出版・販売を行っていた書店の関係者5人が失踪し中国当局が強制的に連行した可能性が指摘されている70位の香港などより低くなっている。なお、日本は「問題な状態」に指定されている。
一方、アメリカの人権団体「フリーダム・ハウス」の発表する「報道の自由度ランキング」では199カ国中48位(2017年)で、「報道の自由がある」という評価であった。

実際のところ世界ランクからはどんどん落ちていることは現実なのだ。またアメリカのバイデン大統領が「日本は外国人嫌い」だと発言した真意は「アメリカと比して外国人(難民)を受け入れない」と言うことだと思われる。おそらくバイデン大統領はあまり深い意味でいったわけではないかもしれない。しかし彼のこの後に続く言葉には注目したい。
ロイター通信などは《アメリカの経済が成長しているのは移民を受け入れているからだと述べたあとで「なぜ日本は問題を抱えているのか。それは彼らが外国人嫌いで移民を望んでいないからだ」と発言したと報じた。無論米政府は米大統領の発言に釈明したという。

報道の自由度にしてもバイデン大統領の「(日本人は)外国人嫌い」発言にしても、ある意味当たっている。少なくとも「外国からはそうみられている」のだ。たとえは悪いが北朝鮮が「無法者国家」だと見られているように。また経済も「失われた30年」だとか、厚労省の推計で超高齢者国家で2050年には認知症患者が584万人ででその前段階の人を含めると3人に一人」に達するとか・・・。

我々は現実を見なければならない。知らなければならない。目を背けてはならない。例えば在日韓国・朝鮮人の歴史を知り、理解しなければならない。アイヌ民族の歴史も勉強したい。一緒にこの国を動かす動力にならなければ。少子高齢化の問題もある。2045年には高齢者の4人に1人が認知症もしくはその予備軍だとか。その予備軍をいれると3人にひとりだという話だ。自然災害も多い。能登ではボランティアが不足だという。万博だと浮かれている時代は過ぎたと思うが、一部の人にはそうではないようだ。

一体いつまで「日本は一流国だ」と目を現実からそむけているんだろう。
井の中の蛙をやめて世界に目を向けよう。