「春告魚(はるつげうお)」とも呼ばれるニシンはかつて、春先に群れを成して北海道沿岸に押し寄せ、北海道に繁栄をもたらしました。日本海に面する渡島(おしま)半島南西部の江差は、江戸時代から明治時代にかけてニシン漁とその加工品の交易で栄え、その繁栄振りは「江差の五月(旧暦)は江戸にもない」と謳われるほどでした。その伝統と文化を伝える町並みや芸能、祭礼・年中行事などは2017(平成29)年度に日本遺産「江差の五月は江戸にもない─ニシンの繁栄が息づく町─」の構成文化財として認定を受けています。 “連載コラム・日本の島できごと事典 その128《ニシン》渡辺幸重” の続きを読む