「異次元の人物がいるとしたら誰か」と尋ねられたら、ほとんどの人は大谷翔平をあげるだろう。子育て中の人に「異次元の子育てをしてください」と求めたら、どうするだろうか。大谷のような天才になってくれれば、とゼロ歳のときからバットとボールを持たせたとしても、異次元育児とはいえまい。赤ちゃんを多く産むための異次元の方法は、ときかれたらどうだろう。ほとんどの人は首をひねるにちがいない。当然だ。火星人にでもならないかぎり、次元の異なる「産めよ増やせよ」法などあろうはずがない。ところが岸田文雄首相は「異次元の少子化対策」を国政の柱に据えているのである。 “現代時評《低次元の少子化対策》井上脩身” の続きを読む