ONCE UPON a TIME 外伝 ”剃刀が切れない、経済封鎖のせいだ!”片山通夫

ONCE UPON a TIME 外伝 を・・。

カストロ氏とソ連のフルシチョフ氏

しかしそうも言っておれない事態がボクには見えた。革命後10年。気を付けてみるとまだまだ落ち着かない状況だった。最初に経験したのは歯磨きや剃刀の不足だった。そんなもの何処にでもあると思っていたボクは浅はかだった。確かチェコ製の剃刀は見事にボクを「切られの与三」のように傷だらけにした。歯磨きは手に入らなかった。
半年という長期のキューバ滞在だったので日本大使館に挨拶に行った。その時歯磨きのことや剃刀のことが話題になった。大使館では時折メキシコへ出かけるので買ってきてあげようと言ってくれたので早速お願いした。当座の分として彼の手持ちを譲ってくれた。大使館の人って親切だった。同時にアメリカの経済封鎖を恨んだ。