現代時評《勝敗分けるドンバス攻防戦》井上脩身

ロシアがウクライナに侵略戦争を始めて4カ月がたった。ロシアは現在東部ドンバス地方に戦力を集中させている。ドンバスを完全制圧して属国にするのがプーチン大統領の狙いであることは、「ネオナチストから守る」とのプーチン氏の発言から見て明らかである。この目的達成ために周到に用意されたプロパガンダの結果であることが、最近上映された映画『ドンバス』を見てわかった。ドンバス地方には「ウクライナ兵はファシスト」と信じて疑わない人が少なくないのである。ウクライナ軍が、NATO諸国からの兵器の支援を得て東部戦線のロシア軍を押し返すことができても、住民たちに植え込まれた反ネオナチス感情を払拭するのは難しい。ウクライナ側にとって、この戦争はいま極めて厳しい局面にさしかかっている。 “現代時評《勝敗分けるドンバス攻防戦》井上脩身” の続きを読む