とりとめのない話《標準レンズをもう一度》中川眞須良

今 カメラ、写真の世界で「標準レンズ」と言う言葉は死語になりつつある。

なぜなら「標準」の語の解釈が大きく変化したように思われるからだ。以前は「人間の眼」という明確な基準があった。レンズの焦点距離に換算すれば56~58ミリで、単焦点であることは議論の余地がない。特に1960年代以降 この人間の視角、視点に近い標準レンズ 各メーカー競って大量に造られてきた歴史がある。距離型式カメラなら40もしくは50ミリ、一眼レフなら50もしくは58ミリの範囲にほぼすべてが収まる。しかしこのレンズ(私は「単コロ」と呼んでいる) 一体何処へ消えたのだろう。 街なかで見かけることは皆無だ。 “とりとめのない話《標準レンズをもう一度》中川眞須良” の続きを読む