アメリカの建国時の話ではない。表現は悪いが世界のどこかの発展途上国での話でもない。独裁国のクーデターでもない。2021年1月のアメリカの首都ワシントンで起こった。
テレビでは「トランプにあおられた群衆」があろうことか国会議事堂に押し寄せた状況を伝えていた。連邦議会では大統領選の結果を認定する手続きが進められていた.
乱入者は下院議長の執務室や議長席に座ったという。これは明白な「議会占拠」である。この衝撃を受けて各国首脳は次のように非難したコメントを出した。
ジョンソン首相(英)は「恥ずべき光景だ」と非難した。メルケル首相(独)は「私を怒らせ、悲しませた」と批判した。マクロン大統領(仏)は「暴力には屈しない」と強く非難した。欧州連合のミシェル大統領も、国連のグテレス事務総長も豪州のモリソン首相もインドのモディ首相も発信し暴挙を非難した。
とまあ、ここまでは当然のことだと思う。翻って我が国はどのような反応をしたか?官房長官が「注意深く見守っている」とそっけない。私が知っている限り、菅首相はだんまりを決め込んだのかマスコミには出てこない。当然「トランプ命」でトランプの就任前にアメリカまで駆けつけて世界から失笑を買った安倍前首相もだんまりだ。(2020年11月19日のツイートが最後)ところが安倍命とも筆者は感じるNHKの岩田明子記者がその同じ日の夕刻のニュース番組で「2021年の菅首相の外交課題について解説していた」らしい。岩田記者は「日米同盟を堅持して(米国と)世界各国の仲介を果たす」役割を担うのが菅首相の今年の役割だとのたまわっていたとか。
ちょっと待ってほしい。緊急事態宣言発出という事態になっても彼は国会で説明できなかった。いや国会から逃げていて厚生労働大臣ひとりが出席していた。
もっと驚くのは岩田記者が得々と「解説という名の忖度」をしてた時点ではすでにトランプにあおられた米国会に暴徒が乱入していて世界は大騒ぎだった。冒頭で述べた様に世界は震撼していたわけだ。
コロナで非常事態宣言を一大臣ひとりに任せて国会から逃げ回っている首相に世界の指導者と渡り合って、まだまともに会ったこともないアメリカの新大統領との橋渡しなどできるわけがない。ロシアのプーチン大統領にまんまと乗せられて3000億円だったかを巻き上げられた安倍前首相の轍を踏むのがせいぜいだろう。
いやはやとんでもないことになってきた。