コロナに明け暮れた2011年はあと2日で幕を閉じる。迷走をつづけた政府のコロナ対策の極め付きはGo Toトラベルであろう。新型コロナウイルス第2波さなかの7月に事業が開始され、急激に感染が拡大した第3波中の12月14日になって突如、菅義偉首相は年末年始の間の停止を発表した。私は「首相はGo Toを一時的といえどもやめない」と予想していただけに、この決定は首相の本心ではない、とみた。はたしてその夜、首相は銀座のステーキ店で、王貞治・元福岡ダイエーホークス監督ら8人程度で会食し、野球の話をしていたことが判明。首相の頭の中は東京オリンピックしかないのではないか、との私の疑念は決して的外れでないことが実証されたように思えた。Go Toの一時停止は1月11日までである。感染状況いかんにかかわらす、翌12日に首相はGo Toを再開するにちがいない。「Go To五輪」のために、国民は新しい年もまたコロナの恐怖のなかで、自粛暮らしを余儀なくされる。 “現代時評《五輪のためのGo To政治》井上脩身” の続きを読む