「リラ冷え」という言葉がある。とてもきれいな言葉だ。5月下旬の北海道は、暖かくなったと思ったら急に冷え込むという気候の変化が見られる。そんな時期に札幌市民がふつうに使っている言葉、それが「リラ冷え」。ちなみにリラはフランス語で花の「lilas」。ライラックのこと。
リラ冷えが起こる原因は、オホーツク海高気圧で、冷たい空気が北海道に影響し気温で言うと20度台から10度台へどーんと下がる。そんな気候を言う。でも、いよいよ初夏突入か、という季節を告げる花というわけ。
リラ冷えという言葉は榛谷(はんがい)美枝子さんという北海道を代表する俳人が作った。有名になったのは渡辺淳一の「リラ冷えの街」という小説。