モノローグ《信じられる言葉》&路傍の風景

結界:古神道である神籬や磐座信仰は、神の依り代であるとともに、その鎮守の森や森林や山や海や川や岩や木などは、禁足地である場所も多く、神域や常世と現世の端境を境界線を示すために、神社・寺院などの境内や建築物では意図的に段差を設けたり、扉や柵、鳥居や注連縄などを用いる。古神道や神道において、一定範囲の空間に設定されたタブー(禁足)を視覚化したものとも言え、それは聖なる領域(常世)と俗なる領域(現世)という二つの世「界」を「結」びつける役割をも持つ。

世の中には聞いてすっと心に響く言葉とそうでない言葉がある。先ごろ来のコロナウイルス騒ぎの中で各国の首長が国民に向かって様々な言葉で話しているのを聞いていると「なるほど!」と思わずうなずくときがある。ドイツのメルケル首相が国民の前で話した内容は安倍首相が記者会見で話した内容とほぼ同じだ。要はコロナウイルスに対して冷静にしかし我慢して政府の協力してもらいたいということだ。
しかしながら国民にまっすぐ向かって話すメルケル首相と、おそらく官僚の書いた原稿を読み上げる安倍首相との差は歴然だと感じた。つまり原稿を読むだけの安倍首相のスピーチは心を動かされなかったということだ。信じられる言葉を聞きたかったと思う。