知床半島の少し南に野付半島という砂嘴でできた半島がある。この砂嘴には、トドマツ林が、海水面上昇ないし地盤沈降に伴う地面の浸食により枯死したトドワラで有名だ。いわゆる立ち枯れである。その野付半島から国後島は16Km。目と鼻の先である。そしてその狭い海域で羅臼漁港から小さな漁船で中間線以内での漁をする。「境界線」を超えると拿捕されるという危険があることは言うまでもない。写真の漁船の人は「水揚げも大したことないので」と言葉少なにつぶやく。大きな漁船でロシア側に入漁料を払ってまで漁はできないというわけだ。