【609stdio】毎年のことだが8月は思うことが多い。これは特に筆者だけではあるまい。思いつくままに書き出してみると、ヒロシマやナガサキと言った「重量級」への思い、敗戦と言った決して芳しくない出来事は当然ながら、これら「重量級」の思いはなかなかかんたんにはここで書くことは難しい。多くの人の命を虫けらのように扱った戦争と言う魔物が80年になんなんとする今もなお重く覆いかぶさってくる。 “現代時評plus《8月に思ったこと》山梨良平” の続きを読む
びえんと《憲法違反の死刑執行》Lapiz編集長 井上脩身
――飯塚事件にみる司法の犯罪――
【LapizOnline】32年前、福岡県飯塚市で小学生の女児2人が殺害された飯塚事件の再審請求審で、福岡地裁は6月5日、再審を認めない決定をした。事件の犯人とされた久間三千年さんは、判決が確定後に死刑を執行されており、死刑後に無実となる初のケースでは、と期待されたが、裁判官は「死刑制度護持」という国家のメンツにしばられたのだ。私は以前、「びえんと」のなかで京アニ事件を取り上げたさいに飯塚事件にも触れ、「報復主義に基づく死刑制度を考え直すよう」求めた。もし久間さんが無実であるならば報復される理由すらない。再審をすべきかどうかを判断するにさいし、「誤った死刑執行ではなかったか」との思いが裁判官の頭の片隅にすらないならば、「無辜の救済」という再審の理念は空念仏になる。 “びえんと《憲法違反の死刑執行》Lapiz編集長 井上脩身” の続きを読む
サハリン 夏の風景 Lee E-sik
昔日の風景《食い倒れ人形最後の日》片山通夫
【LapizOnline】写真は永年大阪の人に愛されてきた道頓堀の「食い倒れ人形」最後の日。大勢のファンが集まって別れを惜しんだ。 “昔日の風景《食い倒れ人形最後の日》片山通夫” の続きを読む
現代時評《災害ニッポン、どーする?》片山通夫
【SDGs 609studio】台風10号(サンサン)が日本列島を縦断してようやく熱帯低気圧になり、消滅していった。当初、四国沖から紀伊半島、近畿辺りに上陸するかと思われた10号は西に方向を変え奄美を経て南九州に上陸し長崎から東に方向を変えて九州を横断した。
台風の進路もなかなか予測がつかない時代に入ったように素人ながら考える。
予測がつかないと言うことは、今回の10号のように長期間同じような場所に居座る事にもなる。ひいては豪雨の被害も大きくなり、弛んだ地盤は土砂崩れなどの被害を誘発する。 “現代時評《災害ニッポン、どーする?》片山通夫” の続きを読む
Lapiz2024秋号Vol.51《巻頭言》井上脩身編集長
【LapizOnline】購入した本をつんどくにしたまま、読んでないことすら忘れてしまうことは二度や三度ではなく、何かの拍子に見つけてハッと恥じ入ることがあります。『知覧からの手紙』はそんな本の一つでした。水口文乃さんというフリー記者が著したもので、2007年、新潮社から刊行されています。2008年頃、大阪の書店で「知覧」の文字が目に触れ、買い求めた記憶があります。当時、私は新聞社の外郭団体に勤務していて、忙しくしていました。16年間も放置していたのです。「ごめんなさい」と言いながら、本を開きました。 “Lapiz2024秋号Vol.51《巻頭言》井上脩身編集長” の続きを読む
《Lapizとは?》Lapiz編集長 井上脩身
Lapiz(ラピス)はスペイン語で鉛筆の意味
地球上には、一本の鉛筆すら手にすることができない子どもが大勢いる。
貧困、紛争や戦乱、迫害などによって学ぶ機会を奪われた子どもたち。
鉛筆を持てば、宝物のように大事にし、字を覚え、絵をかくだろう。
世界中の子どたちに笑顔を。
Lapizにはそんな思いが込められている。
Webサハリン物語《episode#13 日本人はお墓まで帰国した》片山通夫
【609studio】コルサコフ(大泊)は港町である。ここから、いやここへ稚内からの連絡船が着く。稚泊連絡船である。コルサコフは港を見下ろせる丘の町であった。この町にも残留朝鮮人は大勢暮らしている。2・3人に聞いてみた。彼らが口々に言うのは決まっていた。
LapizOnlineからの重要なお知らせ:編集室
すでにお知らせいたしましたように、
明後日8月末日から従来のLapizOnlineは閉鎖いたします。
長い間ありがとうございました。
今後は下記でお読みください
https://www.609studio.com/
連載コラム・日本の島できごと事典 その145《屋嘉比島》渡辺幸重
【LapizOnline】沖縄島の西方約20~40kmに浮かぶ慶良間(けらま)列島の西側の島々は座間味村(ざまみそん)に属し、座間味諸島とも呼ばれます。その中でも西側に位置するのが無人の屋嘉比島(やかびじま)で、学生時代に探検部だった私は1973(昭和43)年の夏、「無人島居住実験」と称して男二人で1ヵ月間テント生活をした島です。第二次世界大戦までは銅山として栄え、沖縄戦では米軍が上陸して凄惨な強制集団死(集団自決)事件が起きた島ですが、当時の私はそのことを知らず、あとになって恥ずかしい思いをしました。 “連載コラム・日本の島できごと事典 その145《屋嘉比島》渡辺幸重” の続きを読む
現代時評《岸田・時代錯誤首相の脱落》井上脩身
【609studio】岸田文雄首相は14日、自民党の総裁選に立候補しないことを表明した。私は3年前の自民党総裁選で、岸田氏が「令和版所得倍増計画」を公約に掲げて当選したときから「時代錯誤首相」だと考えていた。はたして「なにをやりたいのかわからない」「やりたいことのない政治家」などと、政治評論家らから酷評されることとなった。現在の日本がどういう状態なのかを適格に分析できない首相であれば、やることなすことすべてがちぐはぐになり、揚げ句の果て、首相の座を投げ出すのは当然であろう。 “現代時評《岸田・時代錯誤首相の脱落》井上脩身” の続きを読む
Webサハリン物語《episode#12 アリランの歌 02》片山通夫
【609studio】ここであらためて地図を広げてみたい。サハリンと北海道の稚内とは宗谷海峡を挟んで50キロにも満たない。ただユジノサハリンスクと稚内との距離は190キロほどある。戦前連絡船で8時間ほどかかったという。冷戦時代にその距離を飛んでいたのは渡り鳥かラジオ放送の電波だった。NHK稚内中波中継局から発せられるラジオ放送は宗谷地方はもとよりユジノサハリンスクまで届いていた。筆者もユジノサハリンスクで聞いたことがあるが、鮮明に聞くことができる。 “Webサハリン物語《episode#12 アリランの歌 02》片山通夫 ” の続きを読む
Webサハリン物語《episode#12 アリランの歌 01》片山通夫
【609studio】朝鮮民謡に「アリラン」と言う歌がある。朝鮮半島全域で歌われている。
「アリラン アリラン アラリヨ・・・」と日本でもよく知られているあの歌である。聞けば「アリラン峠」とはどこにあるのかはわからないと言う。きっとどこの地方ででもマッチするように特定の場所では無いという意味なのかもしれない。 “Webサハリン物語《episode#12 アリランの歌 01》片山通夫 ” の続きを読む
Webサハリン物語《episode#11 サハリンの朝鮮人#02》片山通夫
【609studio】サハリンでも残留朝鮮人はソ連当局を相手に「祖国へ返せ」とデモを仕掛ける人もいた。筆者がインタビューした女性も息子夫婦とその子供を北朝鮮に送られてしまったと嘆く。息子が堅くなに「祖国韓国へ返せ」と当局に訴え出たため、業を煮やした当局は「そんなに帰りたいのなら」と船に乗り込ませた。 “Webサハリン物語《episode#11 サハリンの朝鮮人#02》片山通夫” の続きを読む
Webサハリン物語《episode#10 サハリンの朝鮮人#01》片山通夫
【609studio】いわゆる「鉄のカーテン」の向こう側の実態はなかなか把握できない。それは取材し始めた頃から感じていた。サハリン州は「閉鎖都市」だった。シベリアで外国人が行けたのは、ナホトカやハバロフスクなどごく少数で外国人立ち入り禁止だった。 “Webサハリン物語《episode#10 サハリンの朝鮮人#01》片山通夫” の続きを読む
Webサハリン物語《episode#9 中央アジアの朝鮮人》片山通夫
【609studio】米ソ両国は、いや世界は第二次世界大戦後、いわゆる冷戦時代を迎える。鉄のカーテンと呼ばれた、スターリン時代のソ連は朝鮮半島に今も残る傷跡を残している。それは1950年6月25日の北朝鮮軍が韓国に攻め込んで始まった朝鮮戦争に代表される。戦争休戦に3年かかった。この間サハリンでは帰国できなかった朝鮮人たちは炭鉱、林業、漁業など第一次産業に従事していた。ロシア語のできない彼らに指導でいたのは中央アジアの朝鮮系ロシア人の通訳だった。 “Webサハリン物語《episode#9 中央アジアの朝鮮人》片山通夫” の続きを読む
連載コラム・日本の島できごと事典 その144《クナシリ・メナシの戦い》渡辺幸重
【LapizOnline】北方四島の一つ、国後島(くなしりとう)と根室海峡を挟んで相対する北海道・知床半島の東南側の目梨(めなし)地方で1789(寛政元)年、アイヌ民族が松前藩に対して蜂起する事件「クナシリ・メナシ(国後・目梨)の戦い」が起きました。事件当時は「寛政蝦夷蜂起」「寛政蝦夷の乱」「国後騒動」「寛政元年蝦夷騒擾」などと称され,近代以降は「寛政元年の蝦夷騒乱」「寛政の乱」「クナシリ・メナシの乱」「クナシリ・メナシ地方アイヌの蜂起」などとも呼ばれます。 “連載コラム・日本の島できごと事典 その144《クナシリ・メナシの戦い》渡辺幸重” の続きを読む
連載コラム・日本の島できごと事典 その143《住民投票》渡辺幸重
2018(平成30)年10月31日、沖縄県石垣市で石垣市自治基本条例に基づく住民投票を直接請求する市民の署名活動が始まりました。内容は、石垣島の於茂登岳(おもとだけ)麓に陸上自衛隊駐屯地を建設するという計画への賛成・反対の市民の意思をはっきりさせる住民投票の実施を石垣市に求めるものです。「石垣市住民投票を求める会」は11月30日までの1ヶ月間の署名期間内に住民投票請求の要件である有権者の4分の1を超える1万4,263筆の署名を集めました。これは有権者の約37%にあたります。 “連載コラム・日本の島できごと事典 その143《住民投票》渡辺幸重” の続きを読む
Webサハリン物語《episode#8 ソ連の軍政時代と新聞》片山通夫
【609studio】樺太全土を手中にしたソ連軍は当然のことながら「軍政」を敷いた。と言っても樺太ではまだ30万人ほどの日本人と一説には6万人ほどの朝鮮人が住んでいる。彼らにソ連の何たるかや軍政で世の中が日本時代とどのように変わるかを知らしめなければならない。 “Webサハリン物語《episode#8 ソ連の軍政時代と新聞》片山通夫” の続きを読む
お断りとお詫び
いつもお世話になっております。
筆者がコロナに感染したようで、
しばらく更新を停止いたします。
ご理解いただきますようお願いいたします