現代時評《逃亡する最高司令官》:片山通夫

昔「逃亡者」と言うテレビドラマがあった。1963年に放映された。本稿の末尾にあらすじの一部を記載しておく。このドラマは1993年にハリソン・フォード主演でリメイクされている。こちらを見られた方も多いことと思う。本稿の末尾にあらすじを掲載しておく。この映画とは直接関係がないし、ストーリーも全く違うのだが、最近の安倍首相を見ているとなぜかこの「逃亡者」という映画が思いだされるのだ。これはきっと「逃亡」と言う単語に敏感に筆者が反応している結果だと気が付いた。

 思い起こされるのは、安倍首相が迷彩服で戦車に乗っている写真(左)である。なるほど彼は自衛隊の最高司令官である。内閣総理大臣は文民でありいわゆる軍人ではない。シビリアンコントロールの観点から文民が最高司令官でなければならないのは民主主義国家の大原則である。

しかしながら「戦車に乗った迷彩服姿の首相」の評判は悪かった。簡単に言うと、印象が「軍事オタク」そのものだったからである。そんな首相が「最高司令官」だということは自衛隊の士気に関わることは当然だ。きっと自衛隊員の心中は穏やかではなかったことと察する。

さて「逃亡者」に話を戻す。自衛隊の最高司令官である首相が、加計問題、いや。その前の森友学園問題でも「真正面から国民の代表たる国会議員の質問に答えることなく」国会の答弁に終始した。また閉会後は憲法に定められた臨時国会の開催を避け、アリバイ的に閉会中審査でお茶を濁した。

おまけにこの閉会中審査中には「外遊」とやらで「逃亡」した。ハリソン・フォードの「逃亡者」とは趣が全く違って、国民の税金で不要不急の北欧へ足を延ばしたわけだ。

およそ「迷彩服で戦車の乗る勇ましい最高司令官」のイメージからはかけ離れた姿を国民の目に晒したということである。

逃亡する最高司令官・・・。我々はとんでもない総司令官のもとにいるのだ!!

《逃亡者あらすじ》
シカゴ記念病院の有能な血管外科医リチャード・キンブルがある日の夜に帰宅すると、妻のヘレンが家の中で何者かに襲われて死に瀕していた。キンブルは犯人と思しき「片腕が義手の男」を撃退するも、妻は既に致命傷を負っており手遅れであった。キンブルは自分が取り逃がした義手の男について捜査するよう警察に懇願するが、警察は死の間際のヘレンから受け取った通報の内容を誤解しており、キンブル本人が妻殺しの濡れ衣を着せられ逮捕されてしまう。キンブルは裁判で無実を証明することができず、死刑判決を受けて刑務所へと移送されることになるが、その最中に他の囚人たちが逃亡を企てたことにより、護送車が列車と衝突し爆発炎上するという大事故が発生する。事故を間一髪で生き延びたキンブルは混乱に乗じ、妻を殺害した真犯人を自らの手で見つけて汚名をすすぐため、事故現場から逃亡してシカゴへと向かう。一方、いち早く脱走した囚人がいることを突き止めたサミュエル・ジェラード連邦保安官補とその部下達はキンブルを追跡する・・・。詳細はこちら