現代時評《憶測の域は出ないが…》:片山通夫

アメリカで2016年の米大統領選挙にロシア政府が介入した疑いを巡り、司法省のナンバー2が連邦捜査局(FBI)の捜査を指揮する特別検察官を任命した。 無論、トランプ大統領や同政権の意向は全く考慮されないという。アメリカのマスコミは「大統領弾劾か?」と書き立てた。CNNは 《トランプ米大統領「最大の魔女狩り」、特別検察官任命に反発》と遠慮がない。

一方韓国でも政府から独立して捜査できる「特別検察官」を任命するための特別法が成立し、前大統領が逮捕されたニュースは耳新しい。

さてその強大な権力を持つという特別検察官とは?

アメリカの場合、1999年に制定された連邦法によって、特にセンシティブな内容の犯罪捜査やその不正に基づく訴追事案に関し、司法長官は司法省の外から臨時の特別検察官を任命することができる。任命は、政治紛争によって正常のプロトコルが実施できない異常事態の場合に限定されるべきだとされている。(ウオールストリートジャーナル)

韓国と言う隣国で起こった大統領の逮捕起訴、そして今我が国の同盟国中の同盟国であり、安倍首相が褒めちぎってやまないトランプ大統領も、特別検察官の捜査を受ける身になった。また「ロシアによる米大統領選介入疑惑に関連し、複数のロシア当局者が昨年の選挙期間中、フリン前大統領補佐官(国家安全保障担当)と強固な関係を築いたと豪語し、トランプ氏やその陣営に影響を与えるためフリン氏を利用できるとの見方を示していたことが20日までに分かった」とCNNが伝えた。

トランプ大統領の弾劾と言う悪夢は特別検察官の能力にかかっているということなのだろうが、アメリカの場合、マスコミ各社の後押しが強い味方になると思われる。韓国の場合は、市民のあくなき抗議が、国会議員はもとよりマスコミの原動力となって、特別検察官を置く法整備が行われたと言える。

今、我が国では特別検察官や憲法裁判所の制度はない。ないがゆえに、政権はスシロー化したマスコミを自在に操り、憲法を恐れずに閣議で解釈を改めることができるシステムだ。官僚は首根っこを押さえつけられて、グーの根も言えずに、姑息な国会答弁を繰り返すのみだ。裁判所も三権分立と建前は立派だが、最高裁弁所の長官を始め裁判官もわが身可愛さなのか、政権にたてつく勇気はなさそうだ。そして怪し気な事件である「アッキード・スキャンダル」や「オトモダチ大学に獣医学部新設許可」なんぞは、安倍首相とその夫人は、実際なんとも思っていないのだろう。北朝鮮の核疑惑やミサイル発射も含めて実に上手く利用してきたと言える。

折から国民は「羊の群れ」と化してしまっていることだし。

憶測の域は出ないが。