現代時評プラス《詠み人知らず》:片山通夫

朝日新聞のスクープ。追って毎日新聞も書きだした。《加計学園計画  新学部は「総理の意向」文書》とある。

いやはや、恐れ入ったのは国民だ。首相のオトモダチが経営する加計学園の獣医学部をねじ込んで作らせた過程で、「総理の意向」が文科省の文書に反映・記載されていたというから、あの森友学園の比ではない。

ただ文科省の官僚たちはしたたかだ。この問題の文書、時には記載された期日や記載者などの名前が書かれていない場合もあるという。官庁街での隠語で「詠み人知らず」と言うそうだ。

「詠み人知らず」とは、歌の撰集で,作者が不明か,またはそれを明らかに示しにくい事情があるときに記載する語と指す。

例えば

春霞たてるやいづこみよしのの吉野の山に雪は降りつつ

という歌がある。この歌などはあまり政治的な匂いがしないので、詠んだ人の名を明らかにしても問題はないのだと思うが不明だ。

官僚たちが「詠み人知らず」と言うときは、明らかにしたくないときの隠語だと理解したい。つまり逆に言うと「都合が悪いから詠み人知らず」なのだ。