[:ja]現代時評+ 《心の問題は政治では解決しない》:片山通夫[:]

[:ja]今日(2017年1月9日)、安倍政権は「在釜山日本総領事館前に市民が設置した慰安婦像の撤去を求め、韓国側の対応を不足として駐韓大使を引き上げる」ことにした。大使たちは今日帰国する。  一年前12月28日、日韓両国は「日韓外相会談で結ばれた、日本軍の従軍慰安婦問題を最終かつ不可逆的に決着させること」合意した。内容は定かではないが、日本は10億円を拠出したが、韓国の元慰安婦支援財団が求める首相による謝罪の手紙を出すことを「毛頭考えていない」とにべもない。

そして今回の対し引き揚げにまでに至った、領事館前に設置された慰安婦像だが、正月の間に少し考えてみた。なぜこうもこじれるのだろうかと。そして筆者なりに至った考えは意外に簡単だった。

つまり、安倍政権は「政治決着した」と言い、韓国の国民は「政治決着では固唾かない問題だ」と認識しているのではないか。政府間でいくら「決着」しても、国民の心には響かない。心に響かない結果が、お詫びの手紙に関して述べた安倍首相の「毛頭考えていない」という言葉だ。

アメリカには揉み手で頭を下げる安倍首相だが、韓国や中国には居丈高になる。昨年12月のプーチン大統領との会談でも、大風呂敷を広げた結果が、経済支援だけ。トランプ次期米大統領にも、就任前に駆けつけて「信頼できる指導者である、とこのように確信した」とベタ褒め。しかしトランプ氏は「メキシコに建設計画があるトヨタ」を名指しで「威嚇」した。安倍首相の「世界観」や「外交戦術」が全く通じない結果になってしまった現状を、当の本人はどのように受け止めているのか知りたいものだ。

話を戻す。日韓には複雑な歴史がある。両国の国民がその歴史を理解して時の政府に要求するという「理想的な関係」は、現状では到底望めない。しかし「心の問題は政治では解決しない」ということだけは、理解しなければならないのではないか。

長年、サハリンの残留朝鮮人の取材を続けて来た筆者はそう思う。[:]