現代時評《エライ時代になってきた》:片山通夫

【7月15日 AFP】フランソワ・オランド(Francois Hollande)仏大統領は15日、南部ニース(Nice)で革命記念日(Bastille Day)の花火見物客にトラックが突っ込んだ事件を受けてテレビ演説を行い、明らかな「テロ」行為との認識を示した。一方、ベルナール・カズヌーブ(Bernard Cazeneuve)内相は、死者数が少なくとも80人に上ったと発表した。バングラディッシュのテロの衝撃も消え去らないうちに、凄惨な事件が連続して起こった。

我々の日常生活の中で、爆弾ロボットや大量の爆薬、いや銃弾やダイナマイトなどと言う危険極まりないものはめったに目にしない。せいぜいが中国やベトナムの正月に使う爆竹か今シーズンの花火程度だ。
ところがフランス・ニースでのテロは《花火見物客の列に大型トラックが突っ込む》という衝撃的なものだった。今までのテロは少なくとも専門家、もしくはそれに近い人間《犯人》が専門的な知識で爆薬を作っていたように思う。または銃火器でのテロだ。専門知識も必要なら、特殊な(おそらく)材料も必要だと思っていた。つまり一般的に考えて我々の日常からは程遠いところにそれらはあった(はずである)。まして銃火器は論外だ。
大型トラック(戦車じゃないのだ)、歩行者天国(京都・祇園祭の宵山なんて歩行者天国が始まった16日18:00で既に6万人の人出だという)などは実に身近にある。

それがテロリストの手段と目標になるのなら、もう防ぎようがないとしか言えない。

我が国で記憶に残るのは、秋葉原で2008年6月に起きた殺傷事件だ。2トントラックで秋葉原の歩行者天国に突っ込み、5人を跳ね飛ばし、その後犯人はサバイバルナイフで救護の人などを刺し7人が死亡、10人が負傷した事件だ。

この事件の場合、2トントラック、サバイバルナイフと言う《軽装備》だったので、今回のニースでの事件と比して、規模の点でも小さい事件だった。

もしテロリストが意図して、例えば6万人の人出のあった、祇園祭の宵山に大型トラックで突っ込めばどうなるかは火を見るよりも明らかだ。

爆薬と言う専門知識の必要な難しいものは不要なのだ。運転さえできればいいのだ。レンタカーを借りることもできる。車を盗むこともできる。

冗談ではない。そんなとんでもない時代に我々は生きている。行楽時の無防備な空間で、どうすれば我々は安全を守れるのか。警察だけでない、我々も考え方を変えなければならないのかもしれない。

ニースのテロの教訓は甚だ厄介で重い。