現代時評《驚愕!止められない原発そしてその周辺》:片山通夫

周知のように強烈な地震が熊本県を中心に九州各地を襲った。テレビや新聞、そしてネット上を駆け抜けるニュースは、どれも驚愕のニュースばかりだ。

曰く。「【気象庁】「熊本地震がいわゆる『前震』で、16日の地震が本震だとみられる」。「日夜の地震は実は前震で、16日深夜1:25にM7.3の本震と思われる地震が発生。以降、大きな余震が続いており、震源が徐々に益城→阿蘇→大分と東部へ移動中」、「【気象庁】

ここまで大きい地震になるのは近代観測史上、聞いたことがない」、「【気象庁】北東方向に地震活動の領域が拡大していて、大分県西部、大分県中部でも地震活動が活発化している」

「【地震予知連絡会会長・平原和朗・京都大教授】仮に中央構造線断層帯がどこかで動けば、長期的には南海トラフ巨大地震に影響を与える可能性があるかもしれない」などなど・・・。

そんな中、九州電力、原子力規制委員会はもちろんのこと、政府も稼働中の川内原発を止める気はないようだ。《丸川珠代・原子力防災担当相は4月16日、熊本地震の非常災害対策本部会議で、稼働中の九州電力川内原子力発電所について「現在のところ、原子力規制委員会は停止させる必要はないと判断している」と報告した。観測された地震動が、自動停止させる基準値を下回っていることが理由》、また規制委員会の田中委員長は「今の段階で、ずっと見ている限りでは安全上の問題はありません」と。
しかしこれはおかしいのではないか。全く福島以前に帰ってしまっている考えだ。

口をそろえたように(いや事実、相談の上だろうが)「今の段階では」、「安全だと判断」ということのようだ。

ちょっと待ってもらいたい。稼働中の原発を「止める」のにどれくらいの時間が必要なのか?通常午前10時に着手した場合、午後8時ごろに停止するようだ。つまり「緊急停止」でない場合はこれだけの時間がかかるのではないか。いやそれよりも、原発って、動いていようが、停止中であろうが《危険にあまり差がない》のではないか。
平時の場合は、そんなにリスクはないと思いたい。しかし隣の県であのような大きな地震が連続して起こった場合でも「今のところ、問題はない」では済まないのではないか。

簡単に言うと「異常があってからでは遅い」のだ。それをたった5年前の福島で我々は十分経験してきたのではないのだろうか。

安倍首相をはじめ、丸川担当大臣をはじめとする政府の面々、それに規制委員会、九州電力は責任を取れるのか?「想定外」や「不可抗力」では済まない。また稼働を認めた鹿児島県知事やさつま川内市の市長はどのように責任を取れるのだろうか。聞けば「万一の時には九州新幹線で避難」なんて馬鹿げたことを言ってのけた輩のいると聞く。新幹線は動いていない。それでも「稼働の継続を認める」のだろうか。
自然に対する「畏敬の念」がなさすぎだ。先週、所用で札幌へ行ってきた。時間があったので、北海道博物館へ行った。そこには自然に対する畏敬の念を多々持っているアイヌ民族の歴史や民族性などが丁寧に説明されていた。北海道やサハリン、千島など厳しい自然の中で生きて来た民族の理念は「自然と共生」つまり「自然に対して畏敬の念を持ちながら、共生する姿」が今風に言うと「男前」だった。