《世界文化遺産、登録のゴタゴタ》:片山通夫

  およそ「文化」の名に値しないゴタゴタが土壇場まで繰り広げられた。

 ちなみに世界文化遺産とは「1972年のユネスコ総会で採択された『世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約』に基づいて世界遺産リストに登録された、遺跡、景観、自然など、人類が共有すべき『顕著な普遍的価値』を持つ物件のことで、移動が不可能な不動産やそれに準ずるものが対象となっている。 (ウィキペディア)」

 

 ここでいう「顕著な普遍的価値」は「人類が共有すべき」ものでなければならない。そこには私たち人類が培ってきた文化がそのものに含まれるのだと思う。

 ドイツ・ボンで開かれた、朝鮮人の強制労働の歴史について、日韓双方が「徴用工」の扱いをめぐって対立していたが、日本の佐藤地ユネスコ政府代表部大使は世界遺産委員会での英語演説で「against their will and forced to work」と発言してこの対立は収まったという。その結果、2015年7月5日にドイツのボンで開かれていたユネスコの世界遺産委員会で登録が決定された。

素直に読めば「against their will and forced to work」は「自分の意思に反した強制労働」と訳すのだろうが、岸田外務大臣は早速「強制労働を意味するものではない」と述べた。「forced to work」がなぜ「強制労働ではない」のかは分かりにくい。そもそも徴用と「強制労働」のどこがどう違うのかもはっきりしない。しかも「強制労働」には暴力的に連れてこられたというイメージがつきまとい、日本側の説明は世界では通りにくいのではないか。韓国の聯合ニュースが親韓派と言われている米下院議員のホンダ氏にインタビューしている。ホンダ議員は「安倍政権の典型的な歴史ごまかしの試み」と批判したと伝えた。同氏は日本は「forced lavor」(強制労働)という言葉を使うことを避け、代わりに日本語で「働かされた」という意味の「forced to work」を使ったと指摘している。http://japanese.yonhapnews.co.kr/relation/2015/07/07/0400000000AJP20150707000800882.HTML

安倍政権はどうも「国内向け」と「外国向け」を使い分けることに専念しているようだ。このグローバルな時代ではすべて筒抜けなのに・・・。